日産自動車は、燃費がハイブリッド車並みに優れる小型車向けガソリンエンジン「HR12DDR」を開発した(図)。新型「マーチ」に搭載した、排気量1.2Lの直列3気筒エンジン「HR12DE」を基に、ガソリンをシリンダ内に直接噴射(直噴)する方式に切り替えてミラーサイクル(後述)化した上で、必要時には過給して出力を高めるスーパーチャージャを追加した。いわゆる「直噴スーパーチャージャ・エンジン」である。

 欧州モードでの二酸化炭素(CO2)排出量を95g/kmにまで減らした。ホンダの「インサイト」が101g/km、トヨタ自動車の「プリウス」が89g/kmだから、新しいエンジンを搭載したクルマの燃費は現行のハイブリッド車並みとなる。日産自動車は、2011年に欧州で発売する計画の「Micra」を皮切りに、広くスモール・カー・セグメントに搭載していくという。

〔以下、日経ものづくり2010年9月号に掲載〕

図●直噴スーパーチャージャ・エンジン「HR12DDR」
排気量1.2Lで3気筒。ハイブリッド車に匹敵する低燃費走行と、排気量1.5L相当の高出力走行ができる