デジタル家電などの組み込み機器で,使いやすさの改善は重要な課題である。この連載では,使いやすい機器を開発する上で組み込み機器の開発者が利用できる考え方や手法を説く。1回目の今回は,使いやすさを高めるための原則である「ガイドライン」に沿って設計を進める手法を説明する。(金子 寛人=本誌)

平沢 尚毅
小樽商科大学 商学部 社会情報学科
人間中心設計推進機構

 「仕事の効率を上げるため,最新の複合型プリンターを購入した。しかし各種の設定を終えた後もファクス機能が動作せず,接続した電話もつながらなくなる。外線の回線種別の設定が必要と思い立ち,マニュアルから設定方法を探すが,項目がなかなか見つからない。