【特集】ノーベル物理学賞受賞,炭素新素材「グラフェン」の可能性

2010年10月5日,2010年のノーベル物理学賞の選考結果が発表された。受賞したのは,英マンチェスター大学などに属するAndre Geim氏とKonstantin Novoselov氏。「グラフェン」を簡便な方法で作製,その性質の解明に貢献したことが評価された。この新素材・グラフェンは,高速トランジスタや透明ディスプレイなど,様々な分野での応用が期待されている。その可能性を探る。

グラフェンの応用先

第4回:「次世代蓄電池や水素吸蔵向け材料」――夢の大容量大出力に近づけるか

 グラフェンには,他の材料と混ぜて使うことで,各種素子,特にエネルギー・デバイスの性能を飛躍的に向上できるのではないかという期待も集まっている。具体的には,Liイオン2次...(2011/01/21)

グラフェンとは?

グラフェン

 ベンゼン環を2次元平面に敷き詰めた6員環シートのこと。グラフェンシートとも言う。このシートを筒状に丸めたものがカーボンナノチューブ,複数枚積層したものがグラファイトである。ベンゼン環は炭素6個と水素6個からなる六角形であり,sp2混成軌道をとっている。このため,グラフェンシートの上下 にはπ電子が存在し非局在化している。グラファイトの場合,積層した隣同士のシートのπ電子と重なりあうことで電子がさらに非局在化し安定化する。カーボ ンナノチューブの場合には,グラフェンシートが丸まった構造をとり,単層となるとその曲率がさらに小さくなって,許される電子状態が幾つかに限定されるこ とによって,量子効果を持つようになる。・・・(続きを読む


解説:カーボン・ナノチューブとグラフェン,突き抜けた物性をデバイス開発に生かす

第1回:Siの限界を突破する高速トランジスタを実現へ

 ここ2〜3年,電子デバイス関連の国際学会で,かつては見られなかった光景を目にするようになった。“カーボン・ナノチューブ(carbon nanotube)”や“グラフェン(graphene)”...(続きを読む

第2回:フレキ・デバイスへの応用,注目材料“グラフェン” 

 レキシブル・デバイスでは,溶媒に混ぜてインク状にできるカーボン・ナノチューブの特徴が生きる。塗布法でパターンを形成できるからだ。フレキシブル・デバイス向けで開発が...(続きを読む

第3回:LSI配線やセンサーにも活躍の場 

 LSI配線では,最大電流密度が109A/cm2以上とCuに比べて1000倍大きいカーボン・ナノチューブの特徴を生かせる(図8)。半導体先端テクノロジーズ(Selete)が開発に力を...(続きを読む

第4回:パワー半導体や太陽電池へ,広がる応用 

 カーボン材料は,パワー半導体や太陽電池などエネルギー・デバイスへの応用でも威力を発揮する。パワー半導体に適するのがダイヤモンドである...(続きを読む

グラフェン・イノベーション
−−電子デバイスを変えるナノカーボン材料革命

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