開発No.024 100%光触媒の用途拡大プロジェクト 除菌、脱臭、防汚、油分分解に桁違いの性能 酸化チタンの光触媒能力を最大限生かせる技術の活用法を探る

 太陽光や人工の紫外光を当てるだけで、空気や水を短時間で浄化したり、汚れや臭いを高効率で消し去る高性能材料が開発された。この材料を使うことで、有害物質や悪臭、汚水の処理に問題を抱える現場を一気に解決できる可能性がある。

 キモとなる技術は光触媒としておなじみの二酸化チタン。紫外線を当てると、その表面に触れた有機物、NOx、油分といった物質を分解する能力を有する。酸化力においては、塩素や次亜塩素酸、過酸化水素、オゾンなどの物質をはるかにしのぐ。二酸化チタンは、光触媒として利用しても経年劣化がなく半永久的に使用できるという特長もある。

 二酸化チタンを使った光触媒の実用については、既に多数の実績がある。例えば、空気の浄化。トリクロロエチレンやNOx、SOx、各種の菌・カビなどの有害物質を取り除く用途だ。

 紫外線が当たる所ならば水中でも働くので、水の消毒にも使える。臭いの原因となる有機物やアンモニア、硫化水素酸化物も分解するため、脱臭システムにも使われてきた。表面に付着した物質を分解するセルフクリーニング機能を有するので、鏡やガラス、壁などに使うことで、曇り止めや汚れ防止のコーティングとしても活用されている。

多孔質セラミックスで二酸化チタンを
担持し、反応可能な表面積を拡大

 とはいえ、これらの実用例では、性能が十分に発揮されてこなかったため、光触媒としての二酸化チタンの実力は過小評価され、広く普及してこなかった。

 二酸化チタンは微細な粉体であるため、なんらかの方法でこれらを母材に担持させなければならない。そこで、これまでは一般に、二酸化チタンをバインダーに溶かし、これを塗布する方法が採用されてきた。しかし、この方法では、バインダーの中に二酸化チタンの粒子が埋もれてしまうので、物体と二酸化チタンが触れる表面積が小さくなり、本来の効果が発揮されない。しかも、二酸化チタンの強い酸化作用でバインダー自体が劣化してしまい、長期間使用すると塗膜がはがれる恐れがあった。

図

 この課題を解決したのが今回の技術だ。多孔質セラミックスの微細な穴に二酸化チタンの粒子を入れる(担持させる)ことで、二酸化チタンの表面が100%露出する構造にできた。バインダーを使わないため、塗膜の剥離などの問題は起きない。

来たれ、適用先を考え
製品を共同開発するパートナー

 超高性能な光触媒が現実のものとなれば、これを武器にさまざまな場所に売り込める。真っ先に思いつくのは、病院や学校、企業のオフィスなどの建物の中の空気浄化。電車やバス、エレベーターなど、多数の人間が1箇所に集まり、臭いがこもりやすく、菌が滞留しやすい場所にも重宝されそうだ。水の浄化 にも使えるので、温浴施設やプール、水族館や養殖用水槽の水処理施設にも活用できる。

 また、養鶏場や豚舎といった悪臭の発生源にもニーズがありそうだ。同様に、動物園やペット用のトイレなどでの利用も想定できる。これらは一例であり、想像力を羽ばたかせれば適用先はいくつもありそうだ。

100%光触媒の用途拡大プロジェクト

活用製品を開発したい企業のための説明会2017年9月5日(火) 東京で開催

リアル開発会議では、【開発No.024】「100%光触媒の用途拡大プロジェクト」に関する説明会を開催します。桁違いの性能を持つ光触媒を活用した製品を開発したい企業、この技術にニーズを持つ企業などの参加を募集します。

日 時:
2017年9月5日(火)
10:00 ~12:00(受付中)
13:00 ~15:00(満席)
会 場:
システム・インテグレーション 会議室
参加費:
5,000円(税別)
定 員:
20名(応募多数の場合は、別途日程を追加します)

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