開発No.018 非接触給電の用途拡大プロジェクト ズレてもしっかり電力供給できるシステム 路面や壁だけでなく、水中でも利用を可能に

 リチウムイオン二次電池の台頭によってバッテリーの性能が軽量コンパクトかつ大容量になっている。これにより、PHEV(プラグインハイブリット車)やEV(電気自動車)はますますバッテリーに依存することになる。当然、走行距離も伸びるし、機動力も倍増する。そうなると、焦点になるのが、いかに短い時間で充電をできるか。それがユーザーの関心事となり、充電にかかわる手間暇が面倒だと嫌になってしまう。

 そんな問題を吹き飛ばすのが、非接触給電技術である。最近では、電磁誘導方式に比べて、距離が離れたところでの給電に優れ、かつ位置ずれに強い磁界共鳴方式が注目されている。しかし、高効率で給電するためには送受電装置の位置によって回路定数などを調整する必要がある。

 今回、ある企業が試作した装置は、送受電装置の位置が多少ズレても最適な効率を維持することが可能な給電システムである。この非接触給電装置を用いて、例えばEVの充電装置を開発すれば、いちいち充電用プラグをつなぐ必要もなく、路面にコイルを埋設しておき、その上にEVが駐車するだけで充電ができるようになる。

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EVなどの自動車用途は必須に
水中などの新たな用途展開も

 クルマがPHEVやEVになり、しかも自動運転の時代になると、クルマへの充電やクルマからの給電がいかに簡単になるかが問題になる。さらに安全性も求められるので、このような非接触給電装置は今後ますます必須のものになる。

 面倒な配線やジョイント装置が不要になるので、設計の自由度も向上する。しかも、ある程度の距離が取れるので、路面や壁面に埋設して使うことができ、つまずいたり引っ掛かったりすることもなく安全である。

 将来、軌道に埋設した非接触給電装置で動く、おしゃれな路面電車を目にするようになるだろう。トロリー線は不要になるので景観上のメリットもあり、交通インフラが様変わりする可能性は大きい。

 また、水中でも使えるので、水中で作業するロボットの電源や、ぬかるんだ工事現場の給電装置など、用途展開の余地は大きい。このほか、工場で無人搬送機をはじめ、テレビやHDDレコーダー、プロジェクターなどデジタル家電のコードレス化という民生用途も興味深い。

セットメーカーだけでなく、
部品メーカーも事業を練り上げる企業を公募

 自動車などの輸送機器のメーカーをはじめ、産業用機械や電気機械器具、通信機器、信号装置、精密機器などのセットメーカーには必須の技術となるはずだ。さらに、建築物やオフィス器具に内蔵して給電することも考えられるため、これらの業界でも手に入れたい技術である。

 一方、ケーブルやコイル、制御装置、電力変換装置、充電器などを手掛ける部品メーカーも今後を見据えて積極的に取り組みたい分野である。

 今回は非接触給電の技術を持つ企業とともに用途開拓を考え、事業化を推進していきたいとする企業を募るため、まずは2017年2月14日(火)に説明会を東京で開催する。

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