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事故は,本宮町を通る国道4号線沿いの万世地下歩道と地上を結ぶエレベータで起こった(図)。乳母車に乗った1歳半の男児Aと女児B,3歳の男児Cを連れた女性Dが,地上に上がるためエレベータに乗ろうとしたところ,エレベータかごの扉が閉まり始め,2人の幼児を乗せた乳母車を挟み込んだ。ところがエレベータはそのままゆっくりと上昇。女性Dは外の呼び出しボタンを押したが,扉は開かずにエレベータは乳母車を挟んだまま上がり続けた。
女性Dはとっさに乳母車から男児Aを救い出して乗り場のフロアに置いた。続いて女児Bを救い出したが,その間に最初に救出した男児Aがフロアから約1.25m下のエレベータピットに転落。頭部を打撲し,口腔内に軽いけがを負った。一方,乳母車はエレベータかごの扉に挟まれたまま上昇し,かごの床と地下道の天井との間に挟まれて壊れた。
事故を受け,エレベータの管理者の本宮町と,道路の管理者の福島河川国道事務所が共同で調査チームを結成。日本建築設備・昇降機センターに委託して事故原因の調査に当たり,2003年12月に結果と対策を発表した。
リレーが溶着して上昇止まらず
事故を起こしたのは,1999年11月に設置された油圧式エレベータで,ナショナルエレベータ工業(本社仙台市)製。同社が太陽鉄工(本社大阪市)製の油圧機器と制御ユニット,富士電機製のPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)に自社部品などを加えてシステム化した。
調査結果によると(1)エレベータの低速上昇用制御回路の設計ミス(2)安全装置の不備―の2点が,主な事故原因と結論付けられた。
第1の事故原因とされる回路の設計ミスは,位置センサや乗り場の呼び出しボタンからの信号を受けて制御信号を発するPLCと,油圧機器制御ユニットの接続にあった。
(以下は日経ものづくり2004年8月号に掲載)
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事故のあった福島県・本宮町のエレベータ
(a)事故後に使用禁止の張り紙がされた地下道の乗り場。(b)事故時の再現をする様子と,(c)壊れて前輪がなくなった乳母車。
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