【続報】「社員も驚く」2万790円の秘密,PSPの部品内製率は約50%
「新しいカテゴリの製品なので比べるものがない」。質問のたびに久多良木氏はこう答えたが,頻繁に引き合いに出したのは米Apple Computer, Inc.の「iPod」だ。「音楽を再生するだけのiPodは4万円」として,ゲーム以外にも音楽や映画を大きな画面で楽しめるPSPの割安感を強調した。
それではPSPの価格がなぜ1万9800円に決まったのか…。久多良木氏は,部品内製化率の高さがカギだと語った。同氏によると,PSPの部品内製率は「50%近辺」という。多くの部品を他社から調達した初代「プレイステーション」はもちろん,「エモーションエンジン」をはじめとする基幹LSIで内製化率を上げた「プレイステーション2(PS2)」の40%に比べても高いという。今回も,心臓部のマイクロコントローラをはじめ,多くの部品を社内で調達することで,部品コストを下げたという説明だ。外部調達した主な部品は,メモリ,液晶パネル,無線LAN用LSIなどだという。
価格を抑えることで狙うのは,ゲーム機の発売時には常に狙っている「垂直立ち上げ」だ。出荷目標は発売後最初の1週間で20万台,その後1週間ごとに10万台ずつ売り,2004年内には約50万台,2004年度末(2005年3月末)までに100万台を売り上げることを狙っている。
「熱くなるゲーム」は不可
今回の発表では,発売時期と発売価格のほかに,PSPの連続動作時間も初めて明らかにした。直前まで明らかにしていなかったのは,実測した値で示したかったからだと説明した。
具体的な連続動作時間は,ゲームの場合だと4時間〜6時間,映画については5時間前後になるという。この時間は,ゲームの種類や動画の圧縮率,無線LANを利用しているかどうかなどによって変わる。例えば,パズル・ゲームのように画面が静的なものは連続動作時間が長くなり,レーシング・ゲームのような動きが激しいものだと短くなる。ゲームの内容次第では,連続動作時間が4時間を下回るようなこともあり得るが,許可していないという。これは,熱対策のためだとした。
将来は音楽と映像配信のプラットフォームに
今回は,コンテンツ配信時の課金についてNTTドコモとの協業を発表した。追加コンテンツなどをダウンロードした時やオンライン・ゲームの利用権を購入する際の料金を,NTTドコモが回収代行するという事業モデルである。iモード対応の携帯電話機を通じて利用権(鍵データ)を取得し,IrDAを通じてPSPに転送する。PSPが無線LAN以外にIrDAを備えているのは,携帯電話機との連携を考慮したからだという。現在はまだ消費電力が大きいので,無線LAN機能を搭載する携帯電話機はごく一部に限られているが,IrDAなら最新機種のほとんどが搭載している。
コンテンツ配信事業については,米国などでソニーが既に始めているコンテンツ配信サービス「Connect」との連携についても言及した。久多良木氏は「まだ先になるが」と前置きをした上で,同サービスを通じて音楽や映像コンテンツをPSPにダウンロードできるようにする可能性を示した。ソニーが発売するネットワーク機能付き液晶テレビ・システム「エアボード」との連携もあるとした。エアボードは,自宅にある親機とインターネットを経由して,外出先からでも自宅で受信したテレビ番組を視聴できる。PSPがエアボードの子機になる可能性を示唆したものだ。
このほか,PSPで初めて導入する読み出し専用の光ディスク「UMD(universal media disc)」については,現在複数の企業と「デファクトとデジュールの標準化に向けて活動を始めたところだ」(久多良木氏)とした。
















