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【CEATEC】FeliCaケータイに見る,磁性体シートの使い方

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2004/10/06 20:09
伊藤 大貴
図1 富士通製と思われる端末に磁性体シートを使った例
図1 富士通製と思われる端末に磁性体シートを使った例
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 NTTドコモが2004年7月から販売している「FeliCa」方式の非接触ICカード機能を内蔵する携帯電話機,いわゆるFeliCaケータイ。磁性体シートを使って受信感度を高めたとされているが,実際はどのように利用しているのだろうか――。

 2004年10月5日から開催されている「CEATEC JAPAN 2004」の会場で,こうした疑問に答える展示を見つけることができた。磁性体シートの実際の使用例を展示したのはNECトーキンとTDKの2社。両社とも自社の製品をどの端末メーカーが採用したのかは明らかにしていないものの,展示された端末を見ると端末メーカーの名前は容易に想像がつくものだった。

電池パックの影響を除く
 NECトーキンは2つの携帯電話機を展示した。1つは筐体のデザインから富士通が開発した「FOMA F900iC」と思われる。この携帯電話機には,電池パックを収納する部分の周辺を巻くようにしてFeliCa用のアンテナを実装されている。この方法だと電池パック内部に存在する金属が受信感度を劣化させるため,NTTドコモがFeliCaケータイの製品発表を行った当初,競合メーカーの技術者の間で,どうやって受信感度を確保しているのだろうかと話題になっていた機種である。今回の展示を見ると,電池パックとほぼ同程度の大きさの磁性体シートが筐体に張ってある(図1)。こうした内部の詳細な構造が一般に公開されたのは今回が初めて。

 NECトーキンのもう1つの展示品は,液晶パネルの近傍に磁性体シートを使った例だった。FeliCaケータイのうち,サブ液晶ディスプレイ側の筐体にFeliCa用アンテナを作りこんだのはシャープ1社だけであることから,この展示品はシャープ製の「ムーバ SH506iC」と思われる(図2)。展示内容によると,FeliCa用アンテナは4回巻きのコイル状になっており,コイルの幅に合わせて磁性体シートを張ってあった。このほか,サブ液晶パネルより少し小さくした磁性体シートも利用している。

シールド板とアンテナを電磁的に分離
 一方,TDKは1端末を展示した。その外観から松下電器産業の「ムーバ P506iC」と思われる。プリント配線基板の電磁雑音を低減するために同基板に実装したシールド板とFeliCa用アンテナが背中合わせになるため,その間に磁性体シートを張ることで受信感度を高めている(図3)。

 TDKの説明員によると,現在,端末メーカーからはFeliCa用アンテナを少しでも小さくしたいという理由から,現行品よりもさらに特性のいい磁性体シートを開発してほしいとの要求が来ているという。TDKの現行品は透磁率が35,磁気損失係数はほぼゼロ。透磁率を大きくし,磁気損失係数を抑えることで特性を高められるという。一般に透磁率が高くなると,磁気損失係数も大きくなるので,シートでのエネルギー損失も大きくなってしまう。この点を解決するのが今後の課題という。「磁気損失係数の大きさをどこまで許容するかが今後の開発のポイント。仮に磁気損失係数が大きくなっても,それを上回るだけの透磁率を実現すれば,結果的にFeliCa用アンテナを小型化できるだけの特性を出せるはず」(TDK)という。

図2 シャープ製と思われる液晶パネル周辺に磁性体シートを使った例
図2 シャープ製と思われる液晶パネル周辺に磁性体シートを使った例
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図3 図中,右側の筐体中央部に磁性体シートが張ってある。磁性体シートの裏側にはFeliCa用アンテナがある。この筐体を写真左側の筐体にかぶせる。この際,磁性体シートがないと,左側の筐体にあるシールド板と右側の筐体にあるFeliCa用アンテナが背中合わせになってしまう。これだと受信感度が得られないため,シールド板とFeliCa用アンテナの間に磁性体シートを挟み込む構造にした。
図3 図中,右側の筐体中央部に磁性体シートが張ってある。磁性体シートの裏側にはFeliCa用アンテナがある。この筐体を写真左側の筐体にかぶせる。この際,磁性体シートがないと,左側の筐体にあるシールド板と右側の筐体にあるFeliCa用アンテナが背中合わせになってしまう。これだと受信感度が得られないため,シールド板とFeliCa用アンテナの間に磁性体シートを挟み込む構造にした。
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