「もう標準化は待たない」,TI,Intelなど50社がUWBのSIG設立へ
母体となるのは,業界団体「MBOA(Multi-Band OFDM Alliance)」である。MBOAは,米国においてUWB利用の無線通信規格の標準化を進めているIEEE802.15委員会に,OFDM利用の手法を提案している。MBOAにはTI社などのほか,富士通,米Hewlett-Packard Co.,米Microsoft Corp.,三菱電機,NEC,フィンランドNokia社,松下電器産業,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.,太陽誘電,TDK,イスラエルWisair Ltd.など約50社が参加している。正式発表の際には,これら約50社に加え,複数の大手民生機器メーカーが参加する模様。
UWBは500Mビット/秒程度と高速な無線インタフェースを実現できる技術。これまでIEEE802.15委員会を舞台に,標準化活動が進められていたが,2つの有力提案が対立し,標準化作業が大幅に遅れている。MBOAを推進する企業は,「これ以上標準化作業に時間を取られると,市場を立ち上げるタイミングを逃してしまう。もう待てなくなったということだ」(米Staccato Communications社 VP Business Development & MarketingのMark Bowles氏)とし,IEEEでの標準化作業を見守りつつも,業界標準仕様を作り上げる作業を先行して行う考えを示した。IEEEで対立している2方式には,このMBOAが推進するOFDM方式と,米Motorola社などが推進するCDMA方式がある。このうち賛同する企業数ではMBOAが圧倒的に多いものの,Motorola社がIEEEの標準化における投票権をもつスタッフを多数抱えていることから,お互いに75%の賛同票を得られず,なかなか1本化が実現できない状況になっていた。そこでMBOAとMotorola社のグループは,こうした状況を打開するため,2004年2月に米国サンディエゴでミーティングを持つ予定だが,「そこで1本化が実現するかどうかは何ともいえない」(MBOAの関係者)という。
都内で開催した発表会には,TI社とIntel社,Philips社のほか,米General Atomics社,米Staccato Communications社,太陽誘電,TDKの担当者が顔をそろえた。これらのメンバーで今週後半,国内での規格化を扱うARIBの関連組織であるMMAC(マルチメディア移動アクセス推進協議会)の会合において,MBOAに関する説明を行う予定という。
MBOAでは,2004年第4四半期までに対応チップ・セットのサンプル出荷が始まり,2005年第1四半期にUWB用送受信モジュールが登場し,そして2005年第2四半期には最終製品が登場すると見込んでいる。なお,MBOAでは物理層とMAC層のみ手掛ける。それ以上の層では,「WiMedia」や「IEEE1394」,「Wireless USB」などの仕様を用いていく。特にWiMediaには,無線LANの認証団体である「Wi-Fi」のような役割が期待されている。今後はこうした,相互接続性の確保に向けた取り組みも行っていく予定。
















