キーエンス,1秒でワークの濡れ性を高めるプラズマ照射器を開発
キーエンスは,1秒と短時間でワーク表面の濡れ性を向上させるプラズマ照射器「ST-7000」を開発,販売を開始した。プラズマ粒子を使って樹脂や金属,ガラス,セラミックなどのワーク表面の濡れ性を高め,接着剤やインク,コーティング剤との接着性を改善する。大気中でプラズマを照射できるため,減圧下でアルゴンガスやヘリウムガスなどを使用して放電する従来の照射器に比べて価格を約1/4に抑えた。
新しいプラズマ照射器は,活性化したプラズマ粒子がワーク表面に対して洗浄,粗面化,活性化の三つ効果を同時に与える。具体的には,プラズマを照射するとまずワークの表面に付いている有機物の汚れにプラズマ粒子が結合,表面を洗浄する(洗浄)。続いて,表面上に原子や分子レベルの凹凸を作る(粗面化)。次に,ワークの表面にある水素基(H基)とプラズマ粒子が分子結合し,水酸基(OH基)などの親水基が表面にできる(活性化)。この結果,ワーク表面の濡れ性が向上し,接着剤やインクなどと強く接着する。しかも1秒と短い照射時間で済むため,従来に比べて工程数を削減し,下地処理の時間を大幅に短縮できる。これに対して従来は,アルコールを使った脱脂や,リン酸やクロム酸などを使用した酸洗浄後,プライマを塗布して表面を活性化し,さらに表面を粗くする工程が必要だった。このため製造コストが高く,リン酸やクロム酸など環境負荷の大きい廃液が発生する問題があった。新しい装置はこうした点も解消している。(狩集浩志)












