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D&M 日経メカニカル2002年2月号(no.569)より ■ レポート News Report |
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形状記憶合金ピンで部品同士を固定 弾性応力を利用し信頼性を向上 |
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シチズン時計は,腕時計の金属製バンドのコマ同士を結合するピンに,弾性領域の広いTiNi(チタンニッケル)形状記憶合金を採用,コマにかかる応力を弾性域内で一定にし,結合の信頼性を向上させた(図)。
形状記憶効果の回復力を利用 腕時計の金属製バンドの「コマ」と呼ばれる部品同士を形状記憶合金ピンのバネの弾性応力で固定する。コマが多数並ぶ構成の金属製バンドでは,バンドの長さを調整するために端部の数個のコマ同士にアジャストピンを通し,バネとして働くピンで固定している。ピンを抜くと,隣のコマが外れ,バンドの長さを調整できる。 現在は汗などに対する腐食対策としてSUS304ステンレス鋼製のピンを利用している。「へ」の字に似た形状に加工したピン(直径1mm)をコマの連結穴に通し,への字形状のバネ力で固定する。細長い連結穴は当然,穴開け加工時の直径誤差があり,その誤差をピンのごくわずかな塑性変形で吸収する場合もある。コマを何回か脱着すると,塑性変形による歪みが残る。 ピンに形状記憶合金を使うと,連結穴に差し込む前は直線状のピンが,挿入後に加熱すると形状記憶効果によって,いくらか湾曲したへの字に変わる。TiNi形状記憶合金は加熱すると,高温相のオーステナイト相になり,超弾性効果を発揮するように組成・熱処理を調整してある。今回は,歪みが8%まで弾性域になるように調整してあり,弾性域内でのバネの弾性応力によって連結穴内で接触し,弾性応力によって直径誤差を吸収し,一定の応力で固定する。連結穴の直径を変化させ,ピン直径との差とコマの抜き力で結合力を調べたところ,結合力はあまり変わらなかった。現行のステンレス鋼の弾性域は歪みが0.5%程度と小さい。 TiNi形状記憶合金は,への字に単純に曲げ加工すると曲げ部が相転移してしまうので「オーステナイト相を保つ加工・熱処理条件とスプリングバックの見込みなどの解決が課題になった」(MHT開発本部TECプロジェクトの藤井浩司氏)。 (以下、「日経メカニカル2月号」に掲載) ![]()
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