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ボード設計
プリント基板メーカの見極め法3箇条はこれ!
松通工のカーエレクトロニクス事業部が
図研のプライベート・ショーで講演
(2000.1013)

 松下通信工業は,カーー・エレクトロニクス分野のボード設計環境の今後に関して,10月12日と13日に開催された,図研のプライベート・ショー「Zuken Innovation」で講演した。講演者は,松通工カーエレクトロニクス事業部技術管理部技術システム課 課長の岡本明氏。同事業部は,自動車メーカへカー・オーディオやカー・ナビを納入している。松通工は20年以上前から図研のボード設計用EDAシステムを導入しているが,最近,全事業部のボード用EDAシステムが図研製品になったという。以前は八つの事業部で図研を含めて3社の製品を使っていた。

 岡本氏の講演は,「独断と偏見に基づく,素人でもわかる品質の良いプリント板メーカの見極め方」で始まった。見極め法は3箇条からなる。いずれも,実際に工場に出向き,自分の眼で確かめるように薦める。一つ目の確認事項は,「きれいであること」。パターン形成ラインのあるクリーン・ルームと外部廊下の間でのゴミの行き来を,どうやって少なくしているか。たとえば,クリーン・ルーム用の防塵服への更衣室をどこに設置しているかチェックする。

 二つ目は,「あつもの用というすもの用のラインが別々にあること」。一緒のラインでは,どちらの品質に限界がある。そして,三つ目は「レジストが静電スプレー式」であること。「プリント板メーカにとってはコスト高かもしれないが,品質は考えれば,静電スプレー式が絶対有利」(岡本氏)という。


自動車の開発期間は1年へ短縮

 続いて,本題のボード設計環境に関して講演した。まず,取り巻く環境の変化を四つ指摘した。(1)開発期間が短縮した。かつて,自動車の開発サイクルは4年が基本で,2年目にマイナー・チェンジをしていた。いまや開発サイクルは,15カ月〜18ヶ月に短縮した。自動車メーカは1年間に目標を据えてきた。当然,カーエレクトロニクス機器もそれに対応して開発する必要がある。

 環境変化の二つ目は「ディジタル化」。高速のマイクロプロセサを使うことで,性能は簡単に上がる。ただし,雑音対策や放熱が問題になる。三つ目は「グローバル化」。自動車メーカは看板方式を取り入れており,部品や部材の現地調達が前提になる。四つ目はその他で,小型化,多機能化,鉛フリー化など。


PDMが重要に

 次に,岡本氏は,こうした環境変化への対策のポイントが指摘した。まず,開発期間短縮に関しては,設計期間の短縮だけでは限界があり,いわゆるサプライ・チェーン全体の最適化が必要という。PDM(product data management)の導入を検討する。一方設計に関しては,配線設計の自動化はあきらめ,配線設計工程へ情報を提供する方針を採る。一方で,自動配置ツールは活用する。もっとも設計全体でボトルネックになるのは,「組み込みソフトウエアの開発」になってきたという。

 雑音対策では,シミュレーションだけでは対応しきれず,昔ながらの「カット・アンド・トライ」のノウハウをルール化してツールとして実装することが重要と説いた。EDAベンダが売込み中の解析ツールに関しては,伝送シミュレータはIBISモデルの入手が容易になってきたこともあり,実用化フェーズに入ったとする。一方,EMI/EMCシミュレータや熱解析ツールは,研究室レベルに留まるという見解を示した。

 雑音のノウハウは,アプリケーションに固有なもので,異なるアプリケーションに応用できないと言われてきたが,「各種アプリケーションでディジタル化が進んだ結果,パソコンの回路に似てきた。パソコンにおけるノウハウが横展開できるかもしれない」(岡本氏)。

 グローバル化への対応としては,地域により設計スタイルに差があるため,EDAシステムの統一の前に,部品データベースの一元化を進めるという。ここでもPDMが重要になってきたと指摘した。さらに,図研に対する要求を出した。「海外での図研のシェアを10%以上に上げて欲しい」(岡本氏)。同氏は図研のEDAシステムの基本コンセプトを明示することも求めた。(小島郁太郎)

ボード用EDA
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