「全体最適」の視点をどう持つ−−東京大学教授の横山明彦氏に「日本版スマートグリッド」を聞く
スマートグリッドやスマートコミュニティの実証プロジェクトが全世界で一斉にスタートした。しかし,各国,各地域ごとに解決すべき課題が違うために,各プロジェクトの目的も多様で,全体像を理解することは容易ではない。日本は自国の課題解決のために今後どのようなスマートグリッドを開発し,それをどのように海外展開していくべきなのか。ここでは,「日本版スマートグリッド」の基盤技術の確立を目的とする「次世代送配電系統最適制御技術実証事業」(2010年から3年間)のプロジェクトリーダーであり,『スマートグリッド』(日本電気業界新聞部,2010年3月)の著者である東京大学大学院新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻教授の横山明彦氏に,「日本版スマートグリッド」が目指す方向を聞いた。(続きを読む2010/08/31

趣旨

 「イノベーション」の重要性が叫ばれて久しいものがあります。クリステンセンはイノベーションを、「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」に分けましたが,今日本で求められるのが,これまでの成功体験としての「持続的イノベーション」ではなく,より本質的な「破壊的イノベーション」です。難しいのは,イノベーションの本質は,レイヤーを変えるようなパラダイムの変換を伴うからです。その際に働く知をマイケル・ポランニーは暗黙知と呼びました。どうしたらそのような暗黙知を鍛え,それが働くような場をつくることができるのでしょうか。その解を示すことは容易ではありませんが,少なくとも異質な技術,領域,ビジネスモデル,考え方・・・などこれまでの延長線上ではないものと出会うことがその一歩であることは間違いないと思います。当コラムでは,暗黙知を刺激するようなイノベーションの話題をとりあげていきたいと考えています。

著者

藤堂安人(とうどう やすと)
日経BP クリーンテック研究所主任研究員
1981年、日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。1982年、日経メディカル記者。1986年1月、日経ニューマテリアル記者。1997年1月、日経メカニカル編集長。2003年1月、電子・機械局長。2004年1月、執行役員。2008年1月、日経BP社編集委員会委員長 兼 電子・機械局主任編集委員。2010年4月、 日経BPクリーンテック研究所主任研究員。

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