日経エレクトロニクスが目撃した電子産業・歴史の現場日経エレクトロニクスが創刊した1971年から現在までの電子産業の歴史を振り返る。各年を象徴する話題を一つ選び,当時の時代背景や記者ならではの秘話,今だからこそ分かる意味を綴った。執筆は,そのころ記者として日経エレクトロニクスの編集に携わったメンバーに依頼した。各年に掲載して読者の評判が高かった記事も併せて紹介する。現場の視点で見た電子産業の変転からは,不透明な未来を自ら切り開いた先人の知恵が浮かび上がる。
(本特集の記事は,2006年7月に発行した日経エレクトロニクス創刊35周年特別編集版「電子産業35年の軌跡」から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)
1970年代は日本産業の激変期である。1971年8月,米国のニクソン大統領はドルと金の交換を停止する(ドルショック)。1949年来の1米ドル360円の時代がここに終わった。当時の日本の電子産業を牽引していたのはラジオやテレビの輸出である。円高は未経験の大事件だ。(続きを読む)

1980年代を私は本誌編集長として過ごした。当時と現在とで,1980年代に対する私の見方は大きく違う。当時を振り返るとき,「なぜ気付かなかったのだろう」の思いを禁じ得ない。(続きを読む)

「Information at your fingertips(あなたの指先にも情報を)」――これは,1990年秋,米Microsoft社のBill Gates氏が語ったコンセプトだ。テクノロジーのダウンサイジングが進む将来は,「机から離れた場所でも情報アクセスが可能になる」と予見したのである。(続きを読む)

2001年当時の出井伸之氏は,カリスマ性のある経営者として,ソニー並びにエレクトロニクス業界を代表する顔だった。「デジタル・ドリーム・キッズ」というキャッチフレーズを掲げ,デジタル時代の民生機器業界が進むべき方向性を打ち出した。(続きを読む)
プレイステーション 2 |
2000 | ムーアの法則とともに進化 |
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携帯機器向け燃料電池 |
2001 | 「ソニー参入」で火が付く,クルマから携帯に主役移行 |
無線タグとユビキタス |
2002 | 現実と仮想をつなぐゴマ粒大の“コンピュータ” |
iPodとiTMS |
2003 | 汎ネット時代を迎えたデジタル家電の行く先 |
SED |
2004 | 誰もが認める高画質,独自性を貫く |
「中村裁判」の波紋 |
2005 | 職務発明は誰のもの,企業と社員の関係変える |
競争力の源泉 |
2006 | 際立つ部材力に,技術・経営を学ぶ |
電機メーカー再編 |
2007 | 「緩やかな衰退」か「勝利の方程式」か |
今後の数十年で,電子産業はどうなるのか。この問いに明快な答えを出せる人間はいない。一つだけ言えそうなのは,これまでの常識の延長線上に,これからの未来は描けないことである。産業発展の方向性や基礎になる技術,企業や技術者の在りようまで,従来とはガラリと変わってしまいそうだ。(続きを読む)