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遠隔死亡診断とは

2017/10/05 10:45
増田 克善=日経デジタルヘルス

 医師による対面での死後診察によらず、テレビ電話などの情報通信機器(ICT)を用いて看護師との連携により死亡診断を行い、死亡診断書を交付すること。

 「規制改革実施計画」(2016年6月2日閣議決定)を受け、2016年度厚生労働科学研究「ICTを利用した死亡診断に関するガイドライン策定に向けた研究」で基本的考え方や具体的手順などの研究がなされ、2017年9月12日に厚生労働省医政局から通知された(通知およびガイドラインはこちら)。同省は死亡診断の補助を行う看護師向けの研修を始め、遠隔での死亡診断の運用を開始する。

 在宅患者などの死亡時に医師が遠方にいるなどの理由で、ただちに死後診察や円滑な死亡診断書交付ができず、戸籍法に基づく市町村長に埋葬・火葬許可の申請ができないといった問題を解消するために考えられた。

 ICTを利用した死亡診断を行う際には、次の5つの要件をすべて満たしている必要がある。

(1)医師による直接対面での診療の経過から、早晩死亡することが予測されていること。
(2)終末期の対応について事前の取り決めがあるなど、医師と看護師と十分な連携が取れており、患者や家族の同意があること。
(3)医師間や医療機関・介護施設間の連携に努めたとしても、医師による速やかな対面による死後診察が困難な状況にあること。
(4)法医学等に関する一定の教育を受けた看護師が、死の三兆候(心停止、呼吸停止、対光反射の消失)の確認を含め医師とあらかじめ決めた事項など、医師の判断に必要な情報を速やかに報告できること。
(5)看護師からの報告を受けた医師が、テレビ電話装置等のICTを活用した通信手段を組み合わせて患者の状況を把握することなどにより、死亡の事実の確認や異状がないと判断できること。

 ガイドラインでは、これらの要件それぞれに具体的な詳細事項が示されている。例えば、(1)の「生前の直接対面での診療」については、死亡14日以内の直接対面診療を行っている必要があるとしている。また、早晩死亡が予測された場合、その事実を看護師、家族・患者に説明していることも求めている。

 (3)では、速やかな対面による死後診察が困難な状況として、正当の理由があり、対面による死亡診断を行う前に12時間以上を要することが見込まれる状況を挙げている。(4)の「法医学等に関する一定の教育」には、法医学等に関する講義、法医学に関する実地研修、看護に関する講義・演習の3つのプログラムが示され、履修する必要がある。

 (5)の「テレビ電話装置等のICT」では、映像と音声によるリアルタイムの双方向コミュニケーションが可能な仕組み、適切なセキュリティー下で文書および画像を送受信できる体制とし、それらを組み合わせて患者の状況を把握できる必要がある。また、ICTを用いた死亡の事実の確認は、心停止・呼吸停止・対光反射の消失の手順をリアルタイムで医師に報告しつつ、5分以上の間隔をあけて2回実施すること、としている。

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