Continuous Glucose Monitoringの略で、体にセンサーを装着して血糖値を持続的に測定すること。日常の血糖値を長時間にわたり測定することで、これまでは発見しにくかった血糖値変動などを捉えられる可能性があり、糖尿病診療における有用性が期待されている。

FreeStyleリブレのパッチ式センサー
FreeStyleリブレのパッチ式センサー
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 CGM用のデバイスとしてここに来て注目を集めているのが、米Abbott Laboratories社日本法人のアボットジャパンが販売している「FreeStyleリブレ」。500円玉大のパッチ式センサーを上腕に貼り付けるだけで、血糖値を最長14日間にわたって連続測定できるCGMデバイスだ(関連記事1)。センサーの針を皮下組織に刺し、間質液と呼ばれる体液のグルコース濃度を測定することで血糖値を推定する。

 FreeStyleリブレでは採血なしで血糖値を連続測定し、その結果を患者自らがリアルタイムに確認できる。センサーを付属のリーダー端末に近づけ、近距離無線通信で測定値を読み出す仕組みだ。患者はFreeStyle リブレを使い、日々の血糖値変動を自覚することで、行動変容などにつなげられる可能性がある。

 中央社会保険医療協議会(中医協)は2017年8月23日、このFreeStyleリブレの保険適用を了承(関連記事2)。同年9月1日から保険が適用された。糖尿病診療におけるCGMデバイスの利用に弾みがつきそうだ。

 FreeStyleリブレが採血なしの血糖値連続測定とその自己管理を可能にしたのに対し、患者への侵襲度をさらに低減しようという技術開発も進んでいる。体液を利用しない、非侵襲の血糖値測定技術がそれだ。例えば量子科学技術研究開発機構(量研)は2017年7月、非侵襲血糖値センサーの事業化を目指すベンチャー企業、ライトタッチテクノロジーを立ち上げた(関連記事3)。

 同社が開発を手掛けるのは、中赤外領域のレーザー光を用いた非侵襲血糖値センサーである。中赤外光がグルコースに強く吸収され、水やアルコール以外の生体成分による吸収は小さいことを利用する。同社は既に高輝度中赤外レーザーの小型化に成功し、指先を当てるだけで血糖値を測定できるマウス型センサーを開発。今後、糖尿病患者などを対象とする臨床研究を大学病院などで実施する。