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2017/05/10 08:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 Person centered Open PLatform for wellbeingの略。ピープルと読む。政府が構想する医療へのICT活用において、次世代の医療・健康情報インフラとして計画されている基盤の仮称である。

 具体的には、個人の健康な時から疾病や介護の段階までの保健医療データを、その個人を中心にした形で統合した情報基盤を指す。いわば、“政府公認のEHR(Electronic Health Record)/PHR(Personal Health Record)統合基盤”だ(関連記事1同2)。

 より質が高く効率の高い医療の実現に向けて、政府は2020年度をめどに、ビッグデータやAI(人工知能)、IoT(Internet Of Things)などのICTを活用した「次世代型保健医療システム」の運用を始める考え。そこに向けた具体的な議論の場として「保健医療分野におけるICT活用推進懇談会」を厚生労働大臣のもとに設置し、2015年11月から8回にわたる議論を行った。PeOPLeは、同懇談会が2016年10月にまとめた提言書で示されたコンセプトである。

PeOPLeでは保健医療データを個々人を中心にした形で統合し、利用可能とする(出典:保健医療分野におけるICT活用推進懇談会提言書)
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 PeOPLeは「患者・国民を中心に保健医療情報をどこでも活用できるオープンな情報基盤」と、提言書ではうたわれている。個人のさまざまなライフステージにわたる保健医療データが、保健医療の専門職に共有されたり、個人が自らの健康管理に役立てたりできるように整備された情報基盤を指し、すべての患者・国民が参加できるものになるという。

 具体的には、個人の性別や年齢などの基本情報、既往歴や服薬歴、処置・検査情報、健診情報、さらにはライフログなどを、個々人にひもづいたデータとして統合。これを専門職や本人が参照・利用できるようにすることで、個人の疾病・健康状態に合わせた最適な保健医療が生涯にわたり受けられるようにする。データと個人のひもづけには、医療等IDなどを利用することを想定しており、複数の医療機関をまたいで診療情報を一元的に参照できるようにする。国主導で、患者のデータの種類や規格を統一していくという。

 政府が構想する次世代型保健医療システムでは、PeOPLeのほかに2つの医療・健康情報インフラの整備が計画されている。1つは、最新のエビデンスや診療データをAIを用いて分析し、最適な診療を支援する「次世代型ヘルスケアマネジメントシステム」(仮称)。もう1つは、PeOPLeや目的別のデータベースから、産業界やアカデミアなどのニーズに応じて保健医療データを収集・加工・提供する「データ利活用プラットフォーム」(仮称)である。

 次世代型ヘルスケアマネジメントシステムで生み出されるさまざまなデータを、PeOPLeに統合。これを個人単位で利用できるようにするとともに、データ利活用プラットフォームでは匿名化されたビッグデータとして分析し、保健医療の質の向上や疾患の原因究明、創薬、健康関連サービスなどに活用する。これが次世代型保健医療システムの全体像だ。PeOPLeと次世代型ヘルスケアマネジメントシステム、データ利活用プラットフォームという3つの医療・健康情報インフラはいずれも、2020年度をめどに段階的な運用を始め、本格運用へ移行していくことが構想されている。

日経デジタルヘルス Special

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