今この瞬間に意識を集中させる人間の基本的な能力のこと。今どこにいるのか、何をしているのかという事実に集中する状態をいう。周りで起きていることに過度に反応したり圧倒されたりしないようにする考え方の癖のようなもの。

 マインドフルネスは、状態を指したり行動を指したりとさまざまな定義や解釈がされているが、根本的な考え方は、瞑想や座禅、ヨガの考え方によく似ている。この考え方が、ここにきてデジタルヘルスのツールやサービス、ソリューションに取り入れられるようになってきた。

「ねむり時間計 HSL-003T」
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 例えば、オムロン ヘルスケアの睡眠計測ツール「ねむり時間計」。同シリーズの製品のうち、「ねむり時間計 HSL-003T」と「ねむり時間計 HSL-004T」は、ヨガの呼吸トレーニング法を行うため、マインドフルネスの考え方を取り入れたといえる(関連記事1)。

「ツーブリーズ(2breathe)」
「ツーブリーズ(2breathe)」
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 呼吸を整えるツールである、帝人グループのねむログが提供する睡眠支援ツール「ツーブリーズ(2breathe)」もマインドフルネスの考え方を取り入れた新たな活用を考えている(関連記事2)。

 2breatheの現在の使い方は、睡眠支援であり、“休む”ことを促しているが、マインドフルネスの考え方で想定する応用はむしろ“働く”ことを促すものだ。2breatheを使って呼吸を整える練習をすることで、意識的に集中力を向上させ、仕事や作業の効率も向上させる狙いだ。

 エンジョイゴルフ&スポーツジャパンが販売している脳波測定デバイス「Focus Band(フォーカスバンド)」もマインドフルネスの考え方を応用している。フォーカスバンドは、スポーツなどにおいて練習通りのパフォーマンスを行えるようサポートするツール(関連記事3)。

 具体的には、脳波を測定して右脳と左脳のどちらが優位に働いているのかを検知。右脳が優位に働いているのは、自らの内面に意識が向いていて“無心”状態である。これは、マインドフルネスの考え方でいうと、今この瞬間に“集中している”状態。状態を可視化し、意識的に右脳優位の状態に持っていくことでパフォーマンスの向上を狙う。今後はヨガなどよりマインドフルネスと親和性の高い応用も検討しているという。