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2017/03/27 10:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 ヘルスケアデータや行動履歴など、個人情報を含むデータ(パーソナルデータ)に関して、本人の意向を踏まえた流通・活用を促すことで、そのメリットを個人や社会に還元することを目指す仕組み。新しい事業やサービスの創出、国民生活の安全性や利便性の向上につなげる狙いがあり、政府のIT総合戦略本部が中心となって検討を進めている。同本部の「データ流通環境整備検討会 AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ」が2017年2月、検討内容の中間とりまとめ案を公表した。

 具体的には、パーソナルデータを個人との契約に基づいて管理するとともに、個人の指示やあらかじめ指定した条件のもとで個人に代わって妥当性を判断し、データを第三者(事業者)に提供する事業を指す。メリットは、パーソナルデータの第三者提供に関する判断を信頼できる事業者に委託することで、個人が自ら判断することなくデータ活用のメリットを享受できる点にある。個人がパーソナルデータを第三者提供する際の障壁を低くする効果も期待できる。

情報銀行の概要(出所:IT総合戦略本部「データ流通環境整備検討会 AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ」の中間とりまとめ案)
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 パーソナルデータの利活用に向けた仕組みとして、検討会が情報銀行と並んで議論しているものに「PDS(Personal Data Store)」がある。個人が自らの意思でパーソナルデータを蓄積・管理できる仕組みで、データの第三者提供のための制御機能も備える。個人が自らの端末などでデータを蓄積・管理する分散型と、事業者が提供するサーバーなどでデータを蓄積・管理する集中型があり、情報銀行においてパーソナルデータを管理する仕組みとして想定されているのもこのPDSだ。

 パーソナルデータの利活用が期待される分野として、検討会は観光や金融、人材、農業などとともに、医療・介護・ヘルスケアを挙げている。この分野では(1)個人が自らの健診情報や生活情報を収集することで、医療・健康情報を生涯にわたり管理できる、(2)医療機関や事業者が個人の健康状態や生活環境に適した診療や健康増進サービス、保険サービスを提供できる、といったメリットが期待できるという。これらを「重複検査・投薬の抑制」「医療費の適正化」「健康寿命の延伸」などにつなげる狙いがある。検討会の中間とりまとめ案では具体例として、母子健康手帳や健診情報の電子化/一元化、生活習慣病の疾病管理、被介護者・在宅患者の見守り、などへの活用可能性をうたっている。

 ただし、医療・介護・ヘルスケア分野は機微な情報を扱う上に、長期間にわたりデータが蓄積されることから、セキュリティーの確保や消費者の信頼獲得が強く求められると検討会は指摘する。個人情報保護法との関係に関しては、PDSは「本人同意に基づく第三者提供」と解釈でき、情報銀行についても、自らの指示または指定した条件の範囲で第三者提供を行うことに本人が同意している場合は「本人同意に基づく第三者提供」に当たるとしている。

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