薬としての効果を持たないプラセボ(偽薬)を「痛みに効く」などと薬の効用をうたって患者に処方すると、本来人体には影響のない物質でも、患者の症状に変化がみられること。
プラセボ効果が起こる原因としては、「薬を処方された」という暗示効果などが関係していると考えられている。偽薬効果またはプラシーボ効果ともいう。具体的には、痛みがなくなるなど治療効果が現れたり、吐き気を催すなど副作用の症状が出たりする。
一般的には製薬分野での治験で、薬の効用を確認するための比較対照として用いられ、プラセボとしては乳糖やデンプン、生理食塩水などが使用されることが多い。ところが、ここにきてプラセボ効果はデジタルヘルス業界にも関わり始めてきた。薬のように医師が“処方”するアプリの開発が進んでいるからだ(関連記事1)。
例えば、薬を使わない不眠治療となるスマートフォンアプリの開発を手掛けているサスメドでは、臨床試験においてプラセボ効果を使った比較対照試験を行っている(関連記事 2、3)。開発している実薬アプリと、治療を行うアルゴリズムを排除した“プラセボアプリ”を使って比較試験を行っているのだ。処方薬と同様に、医師に処方されたものというだけで効果が出るかを検証するという。