現在、アナログ回路にかかわる業務に従事しているが、学生時代に電気・電子の学科を専攻していなかったため、改めてアナログ回路の基礎を見直したい方に最適な講義です。
本講演を受講することで、アナログ回路の基本的な事項を把握し、増幅回路等の等価回路からCMOSアナログ回路技術に必須なOPアンプ動作までを理解できるようになります。また、アナログ回路特有のレイアウトの考え方についても学べます。

はじめに、電気回路解析で使う基本的ないくつかの定理・法則を、例を使って説明します。その上で、トランジスタ動作の基本である MOSFETの静特性及び小信号動特性の概要からアナログ回路解析に必須の基本増幅回路の小信号等価回路について、上記で学んだ定理・法則を用いて理解します。この等価回路から増幅度、周波数応答特性等が分かります。
次に、OPアンプの入力部分となる差動増幅回路の動作から、OPアンプ等のバイアス設定に必要な電流源(電流ミラー)回路、参照電圧源回路等について学びます。OPアンプを用いた例として、離散時間コンパレータを説明し、その過渡応答特性にも触れていきます。このコンパレータは、ADコンバータ、Δ‐Σ変調器及びスイッチング電源等で入力(スイッチング電源では出力)データを瞬間的にサンプリングし、基準値と高精度に比較するのに使われます。
次に、増幅器の波形ひずみを低減し、広帯域でかつ安定に動作させるための、フィードバック増幅回路について説明した後、基本的に増幅器であるOPアンプに周辺回路を少し付加するとさまざまな機能(加算、減算、微分、積分等)を持つアナログ回路に変わるOP アンプ動作の基礎から応用について解説します。基礎として、OPアンプの構成例をいくつか述べた後、OPアンプの動作を等価回路で説明し、その回路設計手順の概要について学びます。応用として、入力段許容電圧範囲の拡大、位相補償等について述べます。

最後に、アナログ回路のためのレイアウトについて解説します。アナログ回路では素子(抵抗、容量、トランジスタ)を対で用いることが多く、それらの素子間で特性が一致(マッチング)していることが必要です。そのためのレイアウトの考え方を解説します。

【受講効果】
  • 改めてアナログ回路の基礎を見直したい方に最適な講義です
  • 等価回路からCMOSアナログ回路技術に必須なOPアンプ動作までを理解できるようになります
  • アナログ回路特有のレイアウトの考え方についても学べます

講師紹介

松田 順一 氏 (まつだ じゅんいち)

群馬大学産学連携・共同研究イノベーションセンター 客員教授

松田 順一 氏

1979年4月  東京三洋電機株式会社(後、三洋電機株式会社) 半導体事業部入社
2001年10月 三洋電機株式会社 システムLSI事業部 第一技術部 部長
2005年9月  三洋電機株式会社 退社 
2005年10月 東光株式会社 半導体事業センター入社 センター長付
2008年10月 東光株式会社 半導体事業センター センター長
2009年3月  東光株式会社 退社
2009年4月  旭化成東光パワーデバイス株式会社入社(後、旭化成パワーデバイス株式会社) 技術統括
2013年9月  旭化成パワーデバイス株式会社 退社

2001年      群馬大学連携大学院 非常勤講師(客員准教授)
2002年~2005年 群馬大学連携大学院 非常勤講師(客員教授)
2006年~2008年 群馬大学地域共同研究センター 非常勤講師(客員教授)
2014年4月~9月 群馬大学大学院理工学府 非常勤講師(客員教授)
2014年9月~   群馬大学協力研究員

1995年3月 工学博士(同志社大学)

概要

日時:2016年1月25日(月)10:00~17:00(開場09:30予定)
会場:化学会館 7F(東京・御茶ノ水)
主催:日経エレクトロニクス

受講料(税込み)

  • 一般価格54,000円
  • 読者価格43,200円
  • 一般価格
    一般価格には「日経エレクトロニクス購読(最新号より13冊)」、「日経ものづくり購読(最新号より13冊)」、「日経Automotive購読(最新号より10冊)」のいずれかお選びの雑誌(いずれも月刊)が含まれます。 ご送本開始は開催後になります。
  • 読者価格
    「日経エレクトロニクス」「日経ものづくり」「日経Automotive」定期購読者(いずれも「日経テクノロジーオンライン有料会員セット」での購読を含む)、「日経テクノロジーオンライン」有料年間購読者は、「読者価格」でお申し込みいただけます。
  • ※受講料には、昼食は含まれておりません。
  • ※一般価格に含む雑誌購読を登録させていただく方には、各誌が配信している無料メルマガ(日経エレクトロニクスニュース、日経ものづくりNEWS、日経Automotive NEWSのいずれか)を配信設定いたします。
  • ※満席になり次第、申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。

プログラム詳細

10:00 - 17:00

1.基礎定理・法則

• オームの法則、キルヒホッフの法則、テブナンの定理、ノートンの定理、重ねの理

2.MOSFETの特性

• 強反転の特性、飽和領域の特性、弱反転の特性、小信号等価回路

3.増幅回路と等価回路

• ソース接地、ゲート接地、ドレイン接地、カスコード接続

4.増幅回路の周波数特性

• 出力側ローパス・フィルタ、遮断周波数、ミラー効果、入力側ローパス・フィルタ、ソース接地とカスコード増幅回路の周波数特性

5.差動増幅回路

• 差動入力回路、差動入力と同相入力の電圧利得、許容入力範囲、全差動増幅回路

6.バイアス回路と参照電源回路

• 電流源(電流ミラー)回路、低電源電圧用電流源回路、参照電圧源回路、参照電流源回路

7.コンパレータ回路

• スイッチト・キャパシタ型コンパレータ、増幅器とラッチの過渡応答特性、高速コンパレータ、オフセット・キャンセル、出力バッファ回路

8.フィードバック(帰還)回路

• 帰還増幅回路、帰還回路の利点、帰還増幅回路の入出力インピーダンス、帰還増幅回路例

9.OPアンプ基礎

• OP回路構成例、OPアンプの構成要素(基本差動増幅回路、カスコード差動増幅回路、折り返しカスコード差動増幅回路)、OPアンプ設計手順

10.OPアンプ応用

• 入力段許容電圧範囲拡大、出力バッファ回路低電圧化、位相補償、全差動型OPアンプ

11.アナログ回路のためのレイアウト(素子マッチング)

• 抵抗と容量のミスマッチとその対策、MOSFETのミスマッチとその対策

  • ※途中、昼休憩と午後の小休憩が入ります。
  • ※講演時刻等、随時更新いたします。また、プログラムは変更になる場合があります。あらかじめご了承願います。
■受講料のお支払い:
お支払い方法が「請求書」の方には、後日、受講券・請求書をご郵送いたします。
ご入金は銀行振込でお願いいたします。なお、振込手数料はお客様のご負担となりますので、あらかじめご了承ください。
「クレジットカード支払」の方には、受講券のみをお送りいたします。
■お申し込み後のキャンセルおよび欠席など:
お申し込み後のキャンセル、ご送金後の返金はお受けいたしかねます。代理の方が出席くださいますようお願いいたします。
会場までの交通費や宿泊費は、受講される方のご負担となります。講師等の急病、天災その他の不可抗力、その他やむを得ない事情により、中止する場合があります。この場合、受講料は返金いたします。
■最少開催人員:
15名。参加申込人数が最少開催人員に達しない場合は、開催を中止させていただくことがあります。