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スマートフォンやテレビなどのディスプレーへの応用で今、大きな注目を集めている「量子ドット(QD)」。QDは、電子励起状態から特定の波長の発光を作り出す、数n~数十nm径の半導体の微粒子のこと。ディスプレーの性能を大幅に引き上げる有望な革新技術です。本セミナーは、この技術に関する最新動向を解説します。

QDは、20年以上前から研究開発されてきた材料で、ベンチャー企業を中心に精力的な開発が進められてきました。国際会議などでの発表も相次ぐ一方で、2013年に液晶ディスプレー(LCD)への応用が本格的に始まり、産業としての大きな成長が期待されています。

最大の特徴は、LCDの色域を簡単に広げられ、有機EL(OLED)と同等、あるいはそれ以上の“鮮やかさ”が得られるところにあります。既にいくつかの製品が上市され、世界的なサプライチェーンの確立も進められており、アライアンスに向けた動きも盛んになっています。

さらに、OLEDに替わるQLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)も、QD層を印刷で形成するといった製造プロセスの簡略化が可能な自発光素子として期待が高まっています。そのため、今後、有機ELなどとの技術間競争や、ディスプレーのサプライチェーンにも大きな影響を与える可能性があります。

本セミナーでは、スマートフォンやテレビなどのディスプレーへの応用で注目を集めているQDに関する最新動向を解説します。

この2016年1月に米国で開催された展示会「CES2016」では、さまざまなディスプレーの競演が見られました。有機EL vs. 液晶、曲面vs. 平面、4K/8K、そして高色域を争うQDとレーザーバックライト、などです。ディスプレーはさまざまな技術の競い合いで進化しており、現在最も注目されているのが表示を自然色に近づけることです。このために、2020年のスーパーハイビジョン時代を目指した「Rec.ITU-R BT.2020」規格を実現する最右翼技術と目されるQDに業界の注目が集まっています。

こうした量子ドットの技術、市場、ビジネスの最新状況を整理し、QDビジネスに関わる各社の技術の内容や事業戦略、さらには高色域の特徴を持つレーザーダイオードや、高演色LED、MEMSディスプレーなども交えて、ディスプレーが目指す新たな色の世界と産業の方向を分かりやすく、かつ詳細に解説します。

【受講効果】
  • 量子ドットの技術についての知識が得られる
  • 量子ドットのディスプレー応用の状況と将来方向についての知識が得られる
  • ディスプレーの色域競争の状況を理解することにより、産業動向を見渡せる
  • 量子ドットをとりまく産業動向を理解し、ビジネス戦略を立てるために役立つ

講師紹介

北原 洋明 氏 (きたはら ひろあき)

テック・アンド・ビズ 代表取締役

1978~1988年、日電アネルバ(現キヤノンアネルバ)にて、主に半導体用スパッタ装置のプロセス開発に従事。顧客へのセールス活動、装置納入後のプロセス立ち上げ・プロセスサポートまでカバーする。1988~2000年、日本アイ・ビー・エムにて、TFT液晶パネルのプロセス開発および生産技術を担当。この間、第1世代から第3世代の液晶製造ラインの導入・立ち上げおよび次世代ラインの検討に携わる。2001~2002年、同社にて、高精細液晶ディスプレーのマーケティングに従事。2003~2006年、同社にて、液晶関連のソリューションビジネス、コンサルタント業務に携わる。2006年12月より、テック・アンド・ビズを立ち上げ、アジアをベースとしたFPDおよびグリーンデバイス関連の情報サービス活動、ビジネスマッチングなどの活動を行っている。
1997年~現在、業界活動に積極的に参画。業界団体であるSEMI PCS-FPD活動では、副委員長として液晶生産ラインのあり方、生産性向上、業界の指針となるロードマップ作成などについての検討作業に中心的な役割を果たす。その他、JEITA委員、業界セミナーのプログラム委員などに携わる。これらの経験を基に、産業界の動向や技術トレンドなどをまとめ、執筆・講演活動も行っている。 主な著書に、『新液晶産業論―大型化から多様化への転換』(工業調査会)、『図解わかりやすい液晶ディスプレー、技術とビジネスのトレンド』(日刊工業新聞社)などがある。

概要

日時:2016年2月10日(水)10:00~17:00(開場9:30予定)
会場:Learning Square新橋 6F(東京・新橋)
主催:日経エレクトロニクス

受講料(税込み)

  • 一般価格54,000円
  • 読者価格43,200円
  • 一般価格
    一般価格には「日経エレクトロニクス購読(最新号より13冊)」、「日経ものづくり購読(最新号より13冊)」、「日経Automotive購読(最新号より10冊)」のいずれかお選びの雑誌(いずれも月刊)が含まれます。 ご送本開始は開催後になります。
  • 読者価格
    「日経エレクトロニクス」「日経ものづくり」「日経Automotive」定期購読者(いずれも「日経テクノロジーオンライン有料会員セット」での購読を含む)、「日経テクノロジーオンライン」有料年間購読者は、「読者価格」でお申し込みいただけます。
  • ※受講料には、昼食は含まれておりません。
  • ※一般価格に含む雑誌購読を登録させていただく方には、各誌が配信している無料メルマガ(日経エレクトロニクスニュース、日経ものづくりNEWS、日経Automotive NEWSのいずれか)を配信設定いたします。
  • ※満席になり次第、申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。

プログラム詳細

10:00 - 17:00

1. イントロ:大きな注目を浴びている量子ドット(QD)の動向

2013年にDisplay応用で離陸
相次ぐ学会、展示会などでの発表とCES2016での最新状況
技術だけでなくビジネス面でも活溌な動き
そもそも何故QDが注目されるようになったか?
ディスプレーの進化の歴史を振り返ると将来が見えてくる

2. 量子ドットとは何か? ~構造、特徴をわかりやすく解説する~

Photoluminescence Mode と Electroluminescence Mode
LCDへの応用 (PL Mode)
OLED代替のQLEDを印刷法で実現するEL Mode
まだまだある、ユニークなQD
量子ロッドやテトラポッド型など!その特徴は?
SID、IDW国際会議などでの技術発表内容の詳細

3. 拡大するQDビジネス~業界各社の戦略を詳しく解説する~

QD Visionの技術と戦略
Nanosys の技術と戦略
Nanoco の技術と戦略
業界Top3に選ばれた QD Materials
ユニークなQlight Nanotech とMerck の量子ロッド
Pacific Light Technologies の On chip
日本のベンチャー企業の技術と戦略
韓国Samsungの動向
中国企業もどんどん参入
ディスプレーメーカー各社のQD採用の動向を見極める

4. QD普及のカギを握るCd

CdでつまずきかけたQDベンチャー
Cd規制の現状
土俵際の逆転の一手

5. 加速するディスプレーの色域拡大競争

スーパハイビジョンの新たな世界、NTSCからRec.2020へ
QDがOLEDを追い越した!
QDの強敵 Laser バックライト
蛍光材料も進化している!
MEMSディスプレーも参戦!
<ディスカッション>今後の色競争を制する者は誰か?

6. 今後の方向

量子ドットの発展方向
既存技術との駆け引き
市場の起爆剤となる中国
アプリケーションの広がりと市場規模
<ディスカッション>QDはディスプレー技術の中で主流になりえるか?

  • ※途中、昼休憩と午後の小休憩が入ります。
  • ※講演時刻等、随時更新いたします。また、プログラムは変更になる場合があります。あらかじめご了承願います。
■受講料のお支払い:
お支払い方法が「請求書」の方には、後日、受講券・請求書をご郵送いたします。
ご入金は銀行振込でお願いいたします。なお、振込手数料はお客様のご負担となりますので、あらかじめご了承ください。
「クレジットカード支払」の方には、受講券のみをお送りいたします。
■お申し込み後のキャンセルおよび欠席など:
お申し込み後のキャンセル、ご送金後の返金はお受けいたしかねます。代理の方が出席くださいますようお願いいたします。
会場までの交通費や宿泊費は、受講される方のご負担となります。講師等の急病、天災その他の不可抗力、その他やむを得ない事情により、中止する場合があります。この場合、受講料は返金いたします。
■最少開催人員:
15名。参加申込人数が最少開催人員に達しない場合は、開催を中止させていただくことがあります。