隣家の器物損壊、通行人の怪我など、さまざまな事故が起きている
隣家の器物損壊、通行人の怪我など、さまざまな事故が起きている
(出所:太陽光発電協会)
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 太陽光発電協会(JPEA)は12月22日、太陽光パネルに積もった雪に関して、注意を喚起した。

 毎年、降雪期には、屋根に設置した太陽光パネルに積もった雪が落ち、カーポート、自動車、植栽や、人に損傷を与える事故が発生していることに対応したもの。

 中でも、隣接する住宅や敷地に落下した場合、近隣とのトラブルに発展することがある。こうした損傷やトラブルを未然に防いで欲しいと呼びかけている。

 発電だけを考えると、太陽光パネルに積もった雪は、できるだけ早く滑り落ちることが望ましい。しかし、都市部の住宅などでは、建物の周囲や隣家との間に十分なスペースが無いことが多い。こうした状況で、パネルから敷地外に雪が滑り落ちた場合、隣接地の建物や器物、通行人に対し、損害や損傷を与える恐れがある。

 太陽光パネルからの落雪によるトラブルの事例として、「車の屋根がへこんだ」、「隣家の庭の植木を折った」、「屋外に設置していた給湯器などの設備を壊した」、「テラスの屋根が壊れた」、「子供に当たって怪我をさせた」といった例を紹介している。

 雪が降る可能性のある地域において、住宅の屋根上に太陽光パネルを設置する際には、こうした落雪による事故を防止する処置が必要になる。具体的な処置については、降雪量や雪質など、地域ごとの気候条件や屋根の仕様などによって異なることから、その地域の状況に詳しい太陽光発電システムの設置業者、工務店、屋根工事店などに相談して欲しいとする。

 屋根に「雪止め」対策がある場合でも、気象条件によって雪が滑り落ちる可能性もある。太陽光パネルの表面は、ガラスで覆われており、雪が滑りやすく、また、滑り落ち始めると、想像以上に遠くまで大量に飛ぶ可能性がある。

 そこで、普段より多く雪が降った時、天候が回復して雪が融け始める時などには、軒下に車を止めたり、不用意に軒下に立ち入ったりしないように注意を促している。

 また、太陽光パネル上の「雪下ろし」は、控えて欲しいと呼びかけている。パネル上での作業は足元が滑りやすく、また、パネルを破損する恐れがあるためという。

 どうしても「雪下ろし」が必要な場合、設置業者や工務店、屋根工事店など、太陽光発電システムに詳しい専門業者に相談して欲しいとしている。