ウェザーニューズは、アクセルスペース(本社:東京都中央区)と共同開発した独自の超小型衛星「WNISAT-1R」が、GNSS-R(Global Navigation Satellite System - Reflectometry)のデータ取得に成功したと発表した(ニュースリリース)。これは英Surrey Satellite Technology Limited社(SSTL)と米国航空宇宙局(NASA)に続く世界3例目で、日本では初の成功事例という。

 GNSS-Rは、地球表面に反射したGPS衛星などの測位衛星(GNSS衛星)の電波を受信し、解析することで地球表面の状態を観測する(図1、図2)。GPS衛星からの電波を利用するため、自ら電波を発する必要がなく、大きな電源を持たない小型衛星に向く。また、光学カメラでは観測できない夜間や曇天時でも地球表面の状態を捉えることが可能となる。さらに、現在、30機以上のGPS衛星が地球を周回しており、複数のGPS衛星からの反射波を用いることで、広域のデータも取得できる。

図1 GNSS-Rの概念図
図1 GNSS-Rの概念図
(出所:ウェザーニューズ)
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図2 WNISAT-1Rに搭載されたGNSS-R受信アンテナとGPS受信アンテナの位置
図2 WNISAT-1Rに搭載されたGNSS-R受信アンテナとGPS受信アンテナの位置
(出所:ウェザーニューズ)
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 WNISAT-1Rは、2017年7月に打ち上げられた超小型衛星である(関連記事)。雲や昼夜に左右されない新たな気象・海象観測を行うため、反射波の受信アンテナを搭載した。今回、この受信波からGNSS-Rの特徴であるDelay Doppler Map(DDM)を生成し、GNSS-Rデータの取得に成功したことを確認した。