太陽光パネル大手の中国ジンコソーラーホールディングは12月26日、高知県にある、出力927.5kWの営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)のプロジェクトに、自社製パネルが採用されたと発表した。すでに稼働して、収穫の実績もある。

 営農型は、農地の上に支柱を立てて太陽光パネルを並べ、農業と発電で太陽光を分け合う手法。パネルの下をトラクターなどが通れるように、ある程度の高さの支柱を使うこと、日光が農作物にも当たるように、太陽光パネルの間にある程度の隙間を設けて設置するなどの特徴がある。支柱を立てる場所のみ、一時的に農地転用する。

 今回の営農型の太陽光発電設備は、高知県高岡郡四万十町に立地する。

 発電事業者は、サンヴィレッジ四万十(高知県高岡郡四万十町)となる。同社は、農業生産法人である。

 農地の上に、約3500枚の太陽光パネルを設置した。発電期間中の累計発電量は約2000万kWhを見込んでいる。

 四万十町は海岸に近く、夏や秋には、台風が通過することも多い。冬には雪も多く、約60cm積もる。

 こうした環境を考慮し、発電効率や耐湿、積雪や強風への耐久性などがパネル選定のポイントとなり、ジンコソーラー製が採用されたとしている。

 サンヴィレッジ四万十では、今回の営農型太陽光発電システムの下で、レタス、明日葉、生姜、コンニャクなどを栽培した。太陽光パネルによって、作物に影のかかる時間帯があっても、農作に悪影響は認められず、逆に、農作物の生産性が上がったほか、味が良くなる効果も確認できたという。