「クライメートスコープ」による新興国の再エネ導入状況の概要
「クライメートスコープ」による新興国の再エネ導入状況の概要
(出所:Climatescope)
[画像のクリックで拡大表示]

 英米の共同調査プロジェクト「クライメートスコープ(Climatescope)」は15日、アフリカやアジア、中南米などの主要な新興国や発展途上国が2015年に導入した風力や太陽光発電による設備容量が記録的な水準となり、先進国を18%上回ったとする調査結果を発表した。

 グローバルな調査としては3回目となる今回のクライメートスコープは、12月に第21回気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で「パリ協定」が採択された2015年の状況を反映している。

 同協定の採択後、クライメートスコープの調査対象国の75%が今後、温室効果ガス排出量を削減するとの公約を提出、またはその意向をあらためて表明したという。現時点では、さらに多くの国が今後、数年にわたってクリーンエネルギーの導入を約束しているという。

 2015年にこれらの新興国は、風力、太陽光、地熱などの再生可能エネルギーの設備容量で69.8GWを新規に導入したという。主要先進国で構成される経済協力開発機構(OECD)加盟国における再エネ設備容量の合計は2015年に59.2GWだった。

 調査対象国におけるメガソーラー(大規模太陽光発電所)への投資は2015年に前年比43%増加し、718億ドルとなったという。新興国でもメガソーラーへの投資が大幅に増加している要因の一つは、太陽光パネルなどのコストが急速に下落しているためとしている。このため、国によっては電力調達などのプロジェクト入札において、太陽光が化石燃料に対してコスト面で遜色ないレベルとなり、競り勝つこともあり得ると指摘する。