オーストラリアのバイロンベイ鉄道(Byron Bay Railroad)社は12月16日、太陽光で発電した電力だけで走行する電車の運行を開始した(図1)。太陽光だけを動力源とする「ソーラー電車」としては、世界で初めてという。

図1● 豪Byron Bay Railroad社が開発した世界初の「ソーラー電車」
図1● 豪Byron Bay Railroad社が開発した世界初の「ソーラー電車」
(出所:Byron Bay Railroad Company)
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 バイロンベイ鉄道社が拠点とするバイロンベイは東部のニューサウスウェールズ(NSW)州の北端近く、シドニーの北方約770km、クイーンズランド州ブリスベンの南方約170kmに位置する。オーストラリア最東端の町として知られ、海岸でサーフィンなどが楽しめるリゾート地でもある。

 NSW州のMurwillumbah~Casino間を運行していた総距離132kmの鉄道がバイロンベイも経由する交通機関として運行されていたが、乗降客数の減少を理由に2004年5月にすべての運行が終了した。

 バイロンベイ社はこの鉄道線路のバイロンベイ付近の3kmの区間を修復、約70年前に製造されたディーゼル車を改造し太陽光だけを動力源とする電車として復活させた(図2)(図3)。プロジェクトの総費用は、約400万ドル。

図2● 改修・改造を行う前の車両
図2● 改修・改造を行う前の車両
(出所:Byron Bay Railroad Company)
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図3● 改修・改造を終え、線路上に搬入中の「ソーラー電車」
図3● 改修・改造を終え、線路上に搬入中の「ソーラー電車」
(出所:Byron Bay Railroad Company)
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