三喜工務店が小牧市に建設したシイタケ農園
三喜工務店が小牧市に建設したシイタケ農園
(出所:三喜工務店)
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1125枚の太陽光パネルを設置した
1125枚の太陽光パネルを設置した
(出所:三喜工務店)
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鉄骨製架台は筋交いを最小限にシンプルな構造
鉄骨製架台は筋交いを最小限にシンプルな構造
(出所:三喜工務店)
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 シイタケ菌の研究・開発・製造を行う富士種菌(山梨県南アルプス市)と、太陽光発電用架台の開発・製造を手掛ける三喜工務店(愛知県小牧市)は12月20日、シイタケを使ったソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)事業に共同で取り組むと発表した。

 三喜工務店は、愛知県小牧市の耕作放棄地を取得し、すでにシイタケのソーラーシェアリングを実証的に設置してきた。シイタケ農園は、総面積約3400m2で、1125枚の太陽光パネルを設置し、出力は約290kW。隙間を空けたパネルの下にシイタケ原木5500本以上を栽培した。年間発電量は30万kWhを超えた(関連記事)。

 その結果、原木シイタケは、パネル下の日影が、遮光率90%になっても栽培できることを確認したという。もともとシイタケ栽培では、日射コントロールが必要なため、太陽光発電との相性が良いという。

 これまで実証事業で、シイタケの種菌を富士種菌に依頼したことから、今回の共同事業が実現したという。今後、全国に点在する原木シイタケ農家と、原木シイタケの新規就農向けに展開していくという。

 三喜工務店は、元々鉄骨を扱った建築材を製造・販売してきた。太陽光発電所も多くの施工実績があり、架台の技術を蓄積している。

 ソーラーシェアリングの場合、パネルを高所に設け下で農業を行うため、通常の野立ての太陽光発電所よりも足元や架台の強度がさらに必要になる。

 そこで、同社は、独自に開発した杭や鉄骨架台を用いることで、ソーラーシェアリングに適した高強度の架台を実現したという。開口が広く、筋交いなどを最小限にしてシンプルな構図が特徴という。遮蔽物も少ないので、農作機械が通りやすく設計されているという。