図1●蘭Alfen社が定置型蓄電池システムとEV充電ハブを設置する「Cars Jean Stadion」
図1●蘭Alfen社が定置型蓄電池システムとEV充電ハブを設置する「Cars Jean Stadion」
(出所:PRNewsfoto/Alfen)
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 オランダの電機メーカーであるAlfen社は12月18日、ハーグの競技施設「Cars Jeans Stadion」に定置型蓄電池と電気自動車(EV)20台分の充電器を設置するプロジェクトを受注したと発表した(図1)。

 同プロジェクトはオランダやベルギーでエネルギー供給事業を展開するScholt Energy Control社がAlfen社に発注したもので、電力網運用事業者のStedin社やハーグ市も支援しているという。2018年第1四半期の稼働を見込む。

図2●京セラが2014年に725kWの太陽光発電システムを設置した「Kyocera Stadion(当時)」
図2●京セラが2014年に725kWの太陽光発電システムを設置した「Kyocera Stadion(当時)」
(出所:京セラ)
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 Cars Jeans Stadionの屋根上では、出力725kWの太陽光発電システムが既に稼働中である。同施設の所有者であるプロ・サッカーチームの「ADOデン・ハーグ」と2014年当時にネーミングライツ契約を締結していた京セラが、同社製太陽光パネル2900枚を設置していた(図2)。

 既設の太陽光発電システムに蓄電池とEV充電器を追加することで、クリーンな電力を蓄電池に貯めると共に、EV充電のために供給する。競技施設の顧客は、サッカーやフィールドホッケーなどの試合を観戦する間に太陽光で発電したクリーンな電力でEVを充電することが可能となる。

 Alfen社は、定置型蓄電池とEV充電ハブに負荷調整や遠隔管理のプラットフォームなどを統合したシステムとして供給する。出力や蓄電容量などの詳細は未公表。

 Scholt Energy Control社は、2017年の5月にも関連会社のScholt Energy Services社がオランダ国内で稼働している風力発電所向けにAlfen社の蓄電池を採用していたという。

 Scholt Energy Services社の事業開発マネージャーを務めるSander Drissen氏は、「日中に余剰となる太陽光の電力を蓄電池に貯め、電力を最も消費する夕方に貯めた電力を使う。また、多くのEVを同時に充電する場合に電力網に与える影響を蓄電池で回避する。さらに、競技場を使わない時には、電力の市場取引で蓄電池を活用することで、利用価値を高められる」と説明する。

 Alfen社は12月7日に、チェコで初となる定置型蓄電池システムを太陽光発電所に併設したと発表している(関連記事)。