JEITA(電⼦情報技術産業協会)は年末恒例の報道機関向け発表会を2016年12月21日に東京で開催した。登壇したのは、JEITA会長を務める東原敏昭氏(日立製作所 代表執行役 執行役社長兼CEO)である。

東原敏昭氏 日経エレクトロニクスが撮影。
東原敏昭氏 日経エレクトロニクスが撮影。
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 東原氏は、今回の説明会の中で、何度も、IoTやAIの重要性を訴えた。例えば、これらによって、「世界規模でビジネスモデルが変化している」と説明会の冒頭で述べた。また、強いプラットフォームを持ったプレーヤーが利益を独占するトレンドにも触れて、そうしたプレーヤー(プラットフォーマー)になることが極めて重要だとした。

 このプラットフォーマーに関しては、Q&Aにおいて報道機関側から質問があった。同氏は次のように回答した。「ドイツのIndustrie 4.0や米国のIICなどのIoTプラットフォームが名を馳せていることは承知している。日本は情報発信で出遅れた感は否めないが、技術で遅れていることはない」(同氏)。そして、閣議決定された「第5期科学技術基本計画」に含まれる「Society 5.0」によって情報発信の遅れを挽回し、日本全体をIoTで盛り上げることができる旨のコメントを同氏は発した。

「CeBIT」に積極対応を宣言

 2016年のCEATEC JAPANのレセプションにおいて、安倍晋三首相が挨拶するなど(日経テクノロジーオンライン関連記事1関連記事2)、JEITAは以前に比べて政府に近づいている。今回の説明会でも、Society 5.0の全面支持を打ち出し、東原氏のプレゼンテーションのタイトルは「Society5.0の実現に向けたJEITAの取組み」だった。

 さらに、同レセプションで安倍首相が参加を促したドイツの展示会「CeBIT」(関連記事3)に積極対応することを、東原氏は説明した。また、JEITAが研究開発促進に向けて政府に出した税制面での要望が叶う(かなう)形になったことや、TPP法案が国会で可決されたことを歓迎する旨の発言を同氏はした。

税制面での支援を受けて、Society 5.0を推進 JEITAのスライド。
税制面での支援を受けて、Society 5.0を推進 JEITAのスライド。
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