フランスの電機大手シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)社は12月11日、 同社が使用する電力を2030年までに100%再生可能エネルギーで賄い、エネルギー生産性を倍増すると発表した。

 この公約に沿い、非営利団体である英The Climate Groupが主催するイニシアチブ「RE100」と「EP100」への加盟を決定したことも明らかにした(関連記事1)。

 RE100は事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うこと、EP100はエネルギー生産性を2005年比で倍増することを、いずれも2030年までにグローバル規模で実現することを目指している。

 シュナイダー社は、より低炭素化、デジタル化、非集中化が進んだ世界では、単位エネルギー当たりの生産性をより高くしなければならないとする。

 同社は今回発表した公約を実現するため、「EcoStruxure Power」や「Ecostruxure Grid」といった自社で開発した技術ソリューションを活用していく。これらのソリューションにより、同社グループは過去10年間で3年ごとにエネルギー消費を10%ずつ低減できたという。

 今後、世界中にある同社の工場200カ所を含む事業所1000カ所以上で、太陽光や風力、地熱、バイオマスなどさまざまな再エネの導入と省エネを進める。

 取り組みに当たり、自社施設でのプロジェクト、電力購入契約(PPA)、環境価値という3本の柱で、2030年までに100%、および中間目標として2020年までに80%を再エネで賄うことを目指すという。

 自社施設のプロジェクトでは、世界中にある同社の事業所や工場で再エネによる発電を導入する。例えば、インドのヴァドーダラー(Vadodara)やタイのバンプー(Bangpoo)事業所では屋根上に設置した太陽光発電システム、フランス本社の事業所では屋根上の太陽光発電と地熱の活用といった事例が既にあるという(関連記事2)。

 自社施設の再エネ発電プロジェクトにより、それらでの電力需要の一部を賄うだけでなく、省エネルギー技術も含めて外部への「ショーケース」としての活用も見込む。

 PPAについては、社外の再エネ開発事業者などによるプロジェクトを活用、12~20年の長期間にわたって契約を締結しクリーン電力の調達を行う。PPAによって再エネ開発事業者にとっては風力や太陽光などのプロジェクトを新規に開発するための資金調達が確実になる一方、同社はクリーン電力を予測可能な価格で調達できるとしている。