アジア最大級のディスプレー国際会議「IDW/AD '16」(2016年12月7日~9日、福岡国際会議場)では、昨年(2015年)に続き、会期2日目に「Inovative Demonstration Session」が開催され、多くの人で賑わった。2日目のポスターセッションは昼休みを挟んで午前と午後の2部構成であり、その間ずっとInovative Demonstration Sessionの展示が行われていたので、参加する側としては時間に余裕を持ってじっくり見て回ることができてありがたい。

 アジア最大級のディスプレー国際会議「IDW/AD '16」(2016年12月7日~9日、福岡国際会議場)では、従来の14のワークショップと別に、下記の5つのスペシャルトピックスが選ばれている。

・Oxide-Semiconductor TFTs(OXT)
・AR/VR and Hyper Reality(AR&VR)
・Lighting and Quantum Dot Technologies(LIT)
・Printed Electronics(PE)
・Automotive Displays(AUTO)

 また、Topical Sessionとして「User Experiences and Cognitive Engineering(UXC)」が新たに加えられている。今年は特にAR/VRが注目されているだけに、使う側の立場で客観的に議論するようなセッションを加えるというのは良いことだと思う。

 筆者は主にOLED(有機EL)とFLX(フレキシブル)のワークショップを中心に聴講した。今年の特徴は、既定路線となった「有機EL+フレキシブル化」を支える量産技術に関する実用的な発表が多かったことだと思う。この量産技術を先に確立したところだけがモバイル用ディスプレーで生き残るのだという緊迫感のようなものを会場で感じた。先行する韓国2社とそれを追いかける中国・日本勢の熾烈な競争の幕は既に切って落とされているのである。

 以下、筆者が興味を持った発表について報告する。