太陽光発電協会(JPEA)は12月11日、「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン(第1版)」を公表した。

 同ガイドラインに基づき、あらかじめ太陽光パネルの製造・販売業者が含有する化学物質の情報を提供することを促す。パネルを撤去・排出する事業者にとって、適正処理のために必要な情報を入手しやすくなる。

 2012年の固定価格買取制度(FIT)開始以降、太陽光発電システムの設置量が急増しており、将来の廃棄時の円滑な処理が課題となっている。廃棄物の処理および清掃に関する法律では、産業廃棄物の排出事業者に対して適正処理のために必要な情報を処理業者に提供することが求められている。総務省の実態調査でも、地方自治体、排出事業者、処理業者などから情報提供を求める声が多いとされる。

 このような中、太陽光発電システムの中核部材である太陽光パネルの適正処理に向けた情報提供に関するガイドラインを取りまとめた。産廃処理業者や自治体などが適正処理に取り組めるよう、太陽光パネルに使用される化学物質のうち、環境負荷が懸念される4つの物質(鉛、カドミウム、ヒ素、セレン)の含有についての情報提供のあり方を示した。

4つの部位(フレーム、ネジ、ケーブル、ラミネート部)ごとに含有率を算出する
4つの部位(フレーム、ネジ、ケーブル、ラミネート部)ごとに含有率を算出する
(出所:JPEA)
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 これら4物質について、含有率基準値(0.1wt%)を超える場合に定られた方法で表示する。対象物質の「含有率」は、パネルを構成する4つの部位(フレーム、ネジ、ケーブル、ラミネート部)ごとの質量を分母、それぞれの部位中の対象化学物質含有量を分子とし、除して算出するとしている。

 また、情報提供の方法については、太陽光パネルが長期間使用されること、屋根上など屋外設置されることなどにより、表示が劣化する懸念などを踏まえ、Webサイトでの情報提供を行うよう定めた。過去に出荷した製品については、少なくとも2012年以降に出荷した製品についても基準値を超えるものは表示することが望ましいとした。