小型風力、稼働するのは認定の半分以下?

 太陽光の入札結果の評価のほか、20kW未満の小型風力発電について、認定量と稼働量の乖離が大きいことが問題視された。2017年3月段階で、約120MWの認定量に対し、稼働済み案件は約2.85MWに留まっている(図3)。

図3●小型風車における導入容量と認定容量の推移
図3●小型風車における導入容量と認定容量の推移
(出所:日本小形風力発電協会)
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 日本小形風力発電協会では、未稼働案件が多い背景に関して、「調達価格の高さから新規参入した事業者が多く、FIT改正前に駆け込み申請が増加した。このため小型風車の不適地に申請しているケースもある。協会で一部の案件を聞き取り調査したイメージでは、120MWの認定案件のうち、稼働するのは半分から、半分以下になる可能性がある」との見方を示した。

 同協会は、小型風力の発電コストの目標を「2030年に30円/kWhを下回ることで、国産メーカーの国際競争力を高めてFITから自立する」と掲げている。この目標値に関して、委員から、「仮に30円/kWhを実現しても、現在の卸電力市場の価格水準に比べて数倍であり、自立的な普及は難しい」との指摘があった。

 小型風車については、未稼働案件の問題に加え、自立化へのシナリオが描けないなか、今後、FITによってどんな形で支援していくかが、議論されることになりそうだ。