米ブレークスルー・エネルギー連合(BEC)は12日、安価で信頼性の高いエネルギーを供給するためのエネルギー技術革新に10億ドル以上の資金を提供する投資ファンド「ブレークスルー・エネルギー・ベンチャーズ(BEV)」を設立したと発表した。

 BECは、米マイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏をはじめ、影響力を持つ投資家などで構成される。

 特に著名な投資家としては、中国アリババ・グループのジャック・マー会長、米Amazon.com(アマゾン)創業者兼最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏、英バージン・グループのリチャード・ブランソン会長、シリコンバレーの有力ベンチャー・キャピタルであるKPCBのジョン・ドーア会長などが、名を連ねている。

 BEVが資金を投じる対象となるクリーン・エネルギー技術としてBECは、次世代原子力、高温岩体地熱発電(EGS)、超低コスト風力発電、超低コスト太陽光発電などの発電技術や二酸化炭素回収・貯留(CCS)、超低コスト送電、超低コスト蓄電などを挙げている。

 米国ではドナルド・トランプ次期米政権が石炭やシェールガスなど化石燃料を重視するエネルギー政策を打ち出すとみられるなか、IT(情報技術)系を中心とした産業界では温室効果ガス排出量の削減に向けた動きが活発化している(関連記事)。