フランスの大手電力事業者で政府系のEDF社は12月11日、太陽光発電システムの設備容量を合計30GW導入するなどを骨子とした事業計画「EDF太陽光発電計画(EDF Solar Power Plan)」を発表した。

 同計画によりEDFグループは、2020~2035年の15年間で、設備容量の合計で30GWの太陽光発電所をフランス国内に建設する。この規模は、現在フランスにあるすべての太陽光発電の設備容量7.4GWの4倍以上となる。風力や水力といった他の再生可能エネルギー導入計画に加え、太陽光も大幅に増やす。

 同社の計画は、再エネの大量導入により現在電力の過半を原子力に依存する同国の電源構成の見直しを図るという政府・マクロン政権の目標に沿ったもの(関連記事1)。

 同社グループ内で再エネ開発事業に特化した子会社のEDF Energies Nouvelles(EDF EN)社を中心に、グループが保有するすべての経営資源を活用して取り組むという。

 具体的な取り組みとしては、フランス国内に20カ所ある原子力発電所や近隣の土地、産業廃棄物の投棄場、その他の遊休地や公的機関の所有地などの活用、水力発電所における水上太陽光発電、事業提携を行っている企業や金融機関などのパートナーへの働きかけなどを挙げている。

 EDF社のJean-Bernard Lévy 会長兼CEO(最高経営責任者)は、「今回発表した『太陽光発電計画』はかつてない規模であり、EDFにとって転機となるものだ。グループの『CAP2030』戦略で策定した、2030年までに再エネ設備容量の倍増という目標を達成するうえでも重要だ」と述べている。

 EDF EN社による再エネ開発事業は、これまで欧州西部や北米における風力発電が主体だった。メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設もフランス国内より、中東やアジア、北米・南米など国外での取り組みが目立っていた(関連記事2)(関連記事3)(関連記事4)。