「ネガワット」「非化石価値」取引への拡充も検討
「ネガワット」「非化石価値」取引への拡充も検討
(出所:楽天)
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 楽天は12月11日、環境経済(東京都千代田区)およびグローバルエンジニアリング(福岡市)と連携し、ブロックチェーン技術を活用したJ-クレジット取引システム「Rakuten Energy Trading System(REts)」の提供を開始すると発表した。

 「J-クレジット」は、日本政府による「環境価値」の認証制度。再生可能エネルギー事業や省エネ、森林経営などによる二酸化炭素の削減効果を認証し、クレジットとして取引できるようにする仕組み。

 楽天の「REts」では、システム上で取引可能な「J-クレジット」をデジタルアセットとしてプライベートブロックチェーン上に発行し、取引に応じて所有権の移転をブロックチェーン上に記録する。英国・ベルファストに所在するブロックチェーン技術に特化した研究開発組織「楽天ブロックチェーン・ラボ」と連携して開発した。

 J-クレジットの購入を希望する顧客は、企業情報を登録することで、「閲覧会員」としてシステム上に登録されたJ-クレジット商品一覧を閲覧できる。または同社所定の申込書を提出して審査を受けることで、「購入会員」としてJ-クレジットの閲覧および購入が可能。

 J-クレジットの売却を希望する顧客は、REts上の問い合わせページから連絡することで、個別契約締結後に売却できる。このほかにも、購入したJ-クレジットのオフセット(代替無効化)手続きサポートや、売却するためのJ-クレジットの創出サポートなどの付帯サービスも利用できる。登録料は、閲覧会員が無料、購入会員が15万円(税別)。

 将来的には、J-クレジットのほか、環境価値を扱う他のシステムと相互利用できるようにして、オープンな環境価値の取引を促進するコンソーシアムの確立を目指す。具体的には、2017年4月に開設された「ネガワット(節電)」市場や、来春からスタートする「非化石価値」市場の動向に着目しており、今回のシステムで扱うことも検討している(関連記事)。