洸陽電機の電力販売エリア
洸陽電機の電力販売エリア
(出所:洸陽電機)
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 洸陽電機は12月1日から、沖縄県で電力販売を開始すると発表した。同県内でのバイオマス発電、太陽光発電などの電源を確保し、まず食品工場などに電力を供給し始めたという。同社は、2015年2月から関西電力エリアで電力販売をスタートし、現在は国内7エリア(東北、東京、中部、関西、中国、四国、九州)で展開している。

 沖縄県は本州から海を隔てているという地域特性から、電力の自由取引を行うJEPX(日本卸電力取引所)が活用できない。加えて、化石燃料以外の安定電源(バイオマス発電や水力発電)も少ないため、新電力の参入が困難な地域となっている。このため、同県では電力小売り全面自由化後も市場競争が活性化していない。

 洸陽電機は、2010年に沖縄営業所を開設して以来、省エネルギー・省コストのための設備改修工事とともに、再生可能エネルギー事業にも取り組んできた。このたび、県内のバイオマス発電と太陽光発電などの電源を確保したことで、電力供給サービスを開始する準備が整ったという。

 電力小売りの開始当初は県内の工場やオフィスビルなど高圧受電の電力需要家を中心に営業し、2016年内に計1000kW程度の契約獲得を目標とする。一般家庭など低圧受電の電力需要家への供給については、2017年以降での参入を検討している。

 他社からの電源調達のほか、自社電源の開発も進めており、地域の木質資源を燃料とした小型木質バイオマス発電事業を検討しているという。