太陽光パネルの設置スペース不足がマンションのZEH化の障壁だった
太陽光パネルの設置スペース不足がマンションのZEH化の障壁だった
(出所:積水ハウス)
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各戸平均で出力4kW、マンション全体で出力50kWの太陽光発電システムを設置
各戸平均で出力4kW、マンション全体で出力50kWの太陽光発電システムを設置
(出所:積水ハウス)
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 積水ハウスは12月2日、名古屋市において、エネルギー差し引きゼロとなるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の高級分譲マンションを開発すると発表した。国内初の「ZEH分譲マンション」としている。

 住宅街として人気が高い千種区内に立地する。2017年夏に着工し、2019年春に完成する予定。

 ZEHの取り組みは戸建て住宅で先行している。分譲マンションのZEH化が遅れていたのは、マンションの場合、屋根の面積が戸数に対して相対的に小さいため、十分な容量の太陽光発電システムの設置が難しいためだった。

 一方で、省エネ面では、建物の断熱や設備の省エネ性能は、トップレベルにできる。

 今回は、3階建てで12戸の邸宅型のため、戸数に対して十分な容量の太陽光発電システムを導入できた。

 太陽光発電システムは平均で各戸出力4kW、マンション全体で出力約50kWを導入する。また、各戸に燃料電池による熱電併給システム「エネファーム」を備える。これにより、全住戸でZEHを達成する。

 停電時には、太陽光発電システムとエネファームの自立運転機能(停電時発電機能) によって、電力を供給できる。

 共用部の防災備蓄倉庫などの防災対策、エレベーターのフロア制御などの防犯対策も強化し、安全・安心にも配慮した住まいとする。

 また、年月を経るごとに、より魅力的な住まいとなる経年美化を実現するため、外構には自然石による石積みを採用するなど、周辺環境との調和も重視した。

 省エネについては、LED照明などの省エネ設備のほか、窓のアルミ・樹脂複合サッシにアルゴンガス封入複層ガラスなどを採用し、開口部の断熱性能を従来比2倍に、住戸単位の断熱性能を1.3~1.6倍まで高めた。