トヨタ自動車は2016年12月6日に開いたTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)対応のパワートレーン説明会で、2017年春に発売するクーペ「レクサスLC500」に搭載する10速AT(自動変速機)を初公開した。10速ATはレクサスLC以外にも、FR(前部エンジン・後輪駆動)車の上級車に搭載していく計画だ。

 レクサスLCは排気量5.0LのV型8気筒エンジン車と、3.5LのV型6気筒エンジンを用意する。このうち、5.0Lエンジンには10速ATを組み合わせ、3.5Lエンジンには4速の自動変速機を内蔵したハイブリッドシステムを組み合わせる。車名は前者がLC500、後者が「LC500h」となる。5.0Lエンジンの最高出力は349kW/7100rpm、最大トルクは530N・m/4800~5600rpmである。

 トヨタの多段ATで最も段数が多いのは、「レクサスLS」に初搭載した8速ATでこちらは変速比幅が6.7である。これに対し、10速ATでは変速比幅を8強まで広げた。他社の多段ATではGM社が2017年モデルの「Chevrolet Camaro ZL1」に搭載する10速ATで変速比幅が7.39となっている。また10速ATではないが、ドイツZF社のFF(前部エンジン・前輪駆動)車向け9速ATは9.8である。トヨタの担当者によれば、日本の道路の最高速100km/hで10速を使えるように設計したといい、ZF社よりは変速比幅をかなり小さくした。

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