トヨタ自動車がTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)対応として2016年12月6日に発表した新2.5Lエンジンは熱効率で41%を達成し、これまでトヨタで最高効率だった「プリウス」向けの1.8Lエンジンの40%を超えた(関連記事)。同エンジンは従来の「2AR」型の後継エンジンで、2017年に中型車に搭載される予定。

 2モーター式のハイブリッド変速機と組み合わせるアトキンソンサイクルの自然吸気エンジンでこの値を達成した。一方、8速自動変速機と組み合わせる同排気量の自然吸気エンジンは熱効率が40%である。トヨタは明言しないが、これらを新型「カムリ」で採用すると見られる。

 TNGA対応の新エンジンは、機種によらず高速燃焼と吸入効率向上を目指した。最適な燃焼のための要素技術を開発し、それをどのエンジンにも展開できるようにモジュール化し、すべてのエンジンに迅速に採用していく。具体的には、タンブル流を多くしながら、吸入効率が落ちないポート形状を作り上げた。

 これまでのエンジンでは、シリンダーヘッドの吸気弁のバルブシートに耐熱合金を打ち込んでいた。この構造のために吸気ポートの形状に制約があった。高速燃焼のためにはタンブル(縦渦)を増やして、空気と燃料の混合を良くする必要があるが、従来エンジンでは限界があった。

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