穀物などのグローバル大手である米カーギル(Cargill)社は11月30日、ガーナのテマ(Tema)にあるココアとチョコレートの加工工場で566kWの太陽光発電システムが稼働したと発表した。

 265W/枚の太陽光パネルを2136枚使用し、地上の架台に413kW、カーポート上に153kWを載せて、合計容量566kWとした。

 発電量が最も多くなるのは午前11時から午後3時の間で、この時間帯では工場が消費する電力の15%を太陽光で賄えると見込む。年間の発電量は400世帯の電力需要に相当する764MWhとなり、ガーナが目指す再生可能エネルギー導入計画に貢献するとしている。

 カーギル社は、ガーナにおけるココア事業のサステナビリティ(持続可能性)向上に取り組んでいる。

 同社ココア・チョコレート部門のPieter Reichertディレクターは、「5年ごとに高い目標を策定し、温室効果ガス排出量の抑制に努めている。その1つは、2020年までにグローバル事業のエネルギー消費に占める再エネの比率を18%まで高めることだ。今回の太陽光発電プロジェクトは、この目標の達成に寄与するだろう」と述べている。

 同社のテマ工場では今回導入した太陽光発電システム以外にも、LED照明、省エネ性能の高いグラインダー機器、バイオマス・ボイラーを導入している。これら4つのプロジェクトによって、テマ工場ではエネルギー消費量を32%、温室効果ガス排出量を71%、それぞれ抑制でき、エネルギーに占める再エネの比率は66%に高まったという。

 ガーナは2020年までに同国の電力需要に占める再エネの比率を10%まで高めるという目標を策定している(関連記事1)(関連記事2)。

 テマ工場の記念式典には来賓としてBoakye Agyarko Kyeremantengエネルギー相も出席、「ガーナ政府は再エネの発電設備容量を増加させることに全力を傾けている。ココア産業界の他の企業もカーギル社に続いて欲しい」と期待感を示した。