新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は12月4日、太陽光発電システムを水没させる実験を実施したと発表した。
水害によって被災した太陽光発電システムの感電リスクなどを把握する目的としている。
台風や大雨による水害で、太陽光発電システムが水没や浸水する被害が増えてきている。こうした水害で被災した太陽光発電システムは、被災後も太陽光パネルに日が当たれば発電が続き、発電システムに近づいた人の感電リスクなどが課題となっている。
こうした水害による被災を模し、対策を検討するもの。
NEDOと太陽光発電協会(JPEA)、奥地建産(大阪府松原市)が、11月28日から12月1日の4日間、山梨県北杜市において実施した。NEDOの「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト/安全確保のための実証」の一環として実施した。
実験は、北杜市長坂町夏秋・塚川地区にある太陽光発電所「北杜サイト」の横の調整池で実施した。
太陽光パネルや接続箱、パワーコンディショナー(PCS)などの太陽光発電システムを、実際の発電所と同じようなアレイ状に組み、このシステムを調整池に水没させた。
水没時に発電設備から水中への漏電状況を測定し、水中における感電リスクを把握した。水没後の状態も測定した。
この実験の前には、事前確認を目的に、太陽光パネルや接続箱などを水槽に水没させ、漏電状態を計測する実験を実施した。
今回の実験から得られた知見をもとに、太陽光発電システムの水害時における点検や撤去の安全性の確保、点検用の装備や対策の指針を、2017年度末までに策定するとしている。