米グーグル(Google)が、風力発電による電力約400MWを新たに調達することが明らかとなった。再生可能エネルギー発電事業者である米EDF Renewable Energy(EDF RE)と米Avangrid Renewablesの2社がそれぞれ、電力購入契約(PPA)の締結を11月30日に発表した。

 EDF REは、200MWの風力発電所「グレイシャーズ・エッジ風力発電プロジェクト(Glaciers Edge Wind Project)」をアイオワ州北西部のチェロキー(Cherokee)郡で建設する。2019年12月の系統連系を見込む。

 同プロジェクトによって建設中に150人以上の雇用創出が見込まれ、数100万ドル規模の経済波及効果があるという。EDF REがアイオワ州で運用・管理する風力発電のポートフォリオは1.1GWとなる。

 グーグルは2012年12月、EDF RE社がテキサス州オールダム(Oldham)郡で手掛けていた「スピニングスパー(Spinning Spur)風力発電プロジェクト」に約2億ドルを出資し、それ以来再エネ事業で緊密な関係にある。2016年には、オクラホマ州で建設された出力225MWの「グレートウエスタン風力発電プロジェクト」でPPAを締結していた。

 Avangridは、サウスダコタ州東部のブルッキングス(Brookings)郡で「コヨーテ・リッジ風力発電所(Coyote Ridge Wind Farm)」とドゥール(Deuel)郡で「タタンカ・リッジ風力発電所(Tatanka Ridge Wind Farm)」を建設する。出力はいずれも98MWで、合計196MWとなる。こちらも2019年内の完成を見込んでいる。これら2カ所の風力発電によって、売電期間中の土地リース代や税収を合わせると4000万ドル以上の経済効果が生じるとしている。

 Avangridからの風力による電力の調達は、グーグルとしては今回が初めてとなる。コヨーテ・リッジとタタンカ・リッジのプロジェクトによって同社がサウスダコタ州で保有・運用する風力発電のポートフォリオは500MW以上になるという。

 グーグルでグローバル・インフラ担当ディレクターを務めるGary Demasi氏は、「グレイシャーズ・エッジやコヨーテ・リッジのようなプロジェクトが生み出す再エネによって、事業価値が高まる。太陽光や風力による発電コストが急速に下落し、多くの雇用創出を後押ししている。クリーン・エネルギーへの転換は新たな経済効果をもたらしており、その転換スピードは予想していたよりも速い」と述べている。

 グーグルはグローバル事業で使用する電力を100%再エネで賄う方針を2016年12月に発表している(関連記事1)(関連記事2)。

米Avangrid Renewablesが所有・運用する出力150MWの風力発電所「MinnDakota Wind Farm」
米Avangrid Renewablesが所有・運用する出力150MWの風力発電所「MinnDakota Wind Farm」
(出所:Avangrid Renewables/Business Wire)
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