FITで高効率パネルを優遇

 一方、固定価格買取制度(FIT)などの太陽光発電の普及推進策は、事業者側からみてかなり魅力的である。

 台湾政府の経済省・エネルギー局が最近策定したFITの買取価格は、高効率な太陽光パネルの採用や重点地域への設置を優遇している。

 2017年の太陽光の買取価格は前年より3~6%低いが、PERC(Passive Emitter Rear Contact:裏面不動態型セル)技術などを採用した高効率な太陽光パネルを採用すれば、買取価格が6%の上乗せとなる。

 台湾北部や島しょ地域など太陽光発電システムの設置がまだあまり進んでいない地域においても15%の価格上乗せとなるという。

 このような事業者にとって魅力のある制度設計によって、今後2年間に台湾での太陽光発電の設置が急速に進みそうだ。

 EnergyTrendのTsai氏は、「台湾における太陽光パネルの生産能力は、約1.8GWで、短期的には国内需要を充足することが可能だ。また国内の太陽光パネル製造事業者はPERC技術を持っており、買取価格が優遇される高効率なパネルを供給可能である。したがって、FITの『ボーナス』の恩恵を最も享受できるのは、国内の太陽光パネル製造事業者になるだろう」と述べている。