関西電力は12月1日、兵庫県朝来市において、出力5.6MWの木質バイオマス発電所が営業運転を開始したと発表した。

 同社グループでは初となる木質バイオマス発電所となる。兵庫県森林組合連合会、兵庫みどり公社、子会社の関電エネルギーソリューション(大阪市北区)と共同で事業化したもので、兵庫県、兵庫県朝来市の協力を得て実現した。

 朝来市の生野工業団地に立地する。敷地面積は約0.7haで、年間売電量は、約3700万kWhを見込み、これは一般家庭約1万2000世帯の消費電力に相当する。

 燃料用チップは、間伐などで伐採され、従来、森林内に残されていた未利用の林地残材を使う。この未利用木材の搬出方法や、未利用木材の効率的な乾燥手法の確立、燃料用チップの供給体制づくりを進めてきた。

 未利用木材の搬出から発電まで一連の工程を一体で取り組む「兵庫モデル」を実現したとしている。発電所に加え、燃料用チップの供給センターを建設した。

 燃料用チップの「供給センター」は、未利用木材の貯蔵、燃料用チップへの加工、チップの貯蔵や品質管理を担う。敷地面積は約2.8ha、木材貯蔵量は約2万t、燃料用チップ製造能力は約30t/h、チップ貯蔵量は約600tとなっている。

 バイオマス発電所は、長期契約により燃料用チップを調達し、燃料用チップの安定的な需給を維持する。発電所では、年間で約6.3万tの燃料用チップを使う見込み。

 未利用木材の搬出や仕組みづくり・運用、燃料用チップの供給センターの建設・運用は、兵庫県森林組合連合会が、みどり公社の協力を得て担当している。発電所の開発・運用は、関電エネルギーソリューションが担当している。

 関西電力グループは、2030年までに合計出力50万kWの再生可能エネルギー電源を開発する目標を掲げている。今後も地方自治体や地域と一体となって開発を継続していくとしている。