「自ら考えて動ける人材」「自ら泥や油にまみれて手を汚せる人」を育てようとしている。「知識、技能だけではなくて、人間力を養成する。そうした人が現場のリーダーになっていく」(豊田氏)。

 人材育成に力を入れるようになった理由についても語った。「シェア、売り上げや利益などの数値目標は分かりやすくてトヨタはそこを重視した時期もあったが、やっぱりそうじゃない。不良品は作らない、流さないという道徳からもう一度しっかりやろう。単に数値を追うよりももっと大事なことがある」と考えて、人づくりを再強化しているという。

 講演では、これらの他にも、レースを通じた人材育成や、ベンチャー精神を大事にする理由、企業の社会貢献のあり方などに関する豊田氏の考えを語った。