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屋根上で家庭菜園と太陽光、タウンハウス舞台に公民連携

カナダ・キャンディアック市が「太陽の庭」プロジェクト

  • 大場 淳一=日経BP総研 クリーンテック研究所
  • 2017/12/01 14:01
  • 1/1ページ

 カナダ・ケベック州のキャンディアック(Candiac)市は11月29日、企業と提携し148軒のタウンハウス(1棟当たり数世帯の区分で構成される集合住宅)の屋根上で都市型農業や太陽光発電を行うプロジェクト「Jardins Solaire(太陽の庭)」をスタートすると発表した(図1)。

図1●カナダ・ケベック州キャンディアック市で建設される「Jardins Solaire」プロジェクトのイメージ
(出所:City of Candiac)
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 具体的には、148軒のうち74軒の屋根上に有機農法による家庭菜園を、残り74軒の屋根上に太陽光パネル6枚をそれぞれ設置する計画。

 Jardins Solaireプロジェクトは、不動産ディベロッパーであるGroupe Xpansion社が進めている住宅プロジェクト「Pür Urbain Candiac」の一環であり、都市型農業を専門に手掛ける地元企業のLa Shop Agricole社とキャンディアック市がパートナーとして参画している。

 ケベック州最大の都市・モントリオールの郊外であるキャンディアック市で、「スクエア・キャンディアック(Square Candiac)」という歩行者指向型開発(Pedestrian-Oriented Development:POD)プロジェクトの一部と位置付け、2016年に建設が開始された。最終的には、2000軒が多世代にわたって暮らす「メガ・プロジェクト」を目指しているという。

 家庭菜園では、ナス、ニンジン、ケール、フダンソウ、チンゲン菜、キャベツ、ホウレンソウ、トマトなどを育て年に3回収穫する。土を保ち水分だけを通す「細粒かんがい」手法を可能とする「スマートポット(Smart Pot)」を使用し、5~11月の期間は毎週La Shop Agricole社の専門スタッフが家庭菜園の維持や管理を行う。収穫された野菜は、地元のレストランや市場、または市民に直接販売し、Jardins Solaireコミュニティに還元するという。

 La Shop Agricole社のNicolas Ste-Marie社長は、「気候条件に左右されるため収量を正確に予測することは難しいが、一軒当たり5個のスマートポットを使用することで、年間に2000ドル程度の収益を想定している。このため、3年後以降には投資の回収が見込める」と説明する。

 太陽光発電システムを設置する住戸では、パネル1枚当たり年間300kWhの発電量を見込む。このため、6枚の太陽光パネルで合計約2000kWh/年の発電量となり、一般的な家庭では1カ月分の電力消費量に相当するとしている。

 居住者は発電量や電力の消費量をスマートフォンでモニタリングと、電力消費のピークや太陽光による電力の過不足をグラフ化して確認することなども可能とする。

 キャンディアック市のNormand Dyotte市長は、「市としてこのプロジェクトを積極的に支援している。持続可能な開発を進めて発展させるという市の方針と一致しているためだ。市が策定した『戦略的開発計画:2014-2029』にもあるように、市民に対して高品質な住環境を提供し、調和の取れた開発を行うことで、今後も成長を続けられるよう努力したい」と述べている(図2)。

図2●記者発表会で「Jardins Solaire」プロジェクトを発表するNormand Dyotte市長
(出所:City of Candiac)
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 農業と太陽光発電は相性が良く、日本でも「ソーラーシェアリング」などで活発な取り組みが進められている(関連記事1)(関連記事2)。

 同プロジェクトは都市計画に農業と太陽光発電を組み合わせたユニークな開発事例として、今後の展開が注目される。

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