米Amazon.com子会社でクラウドサービスを手掛ける米Amazon Web Services(AWS)の年次イベント「AWS re:invent 2016」(米ラスベガス、11月29日〜12月2日)に参加している。著者がこのイベントに参加するのは初めてだが、昨年の「AWS IoT」発表以降、同社の動きには注目してきた。クラウドを制したAWSはいずれIoTにも本気で進出してくると確信していたからだ。

写真●今回発表されたIoT関連の新しい技術のうち、デバイス側で注目すべき動きは大きく三つ
写真●今回発表されたIoT関連の新しい技術のうち、デバイス側で注目すべき動きは大きく三つ
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 まだイベント2日目(Day2)だが、予想通り今回のre:inventは、今後のIoTの勢力図を大きく左右しそうな発表が相次いでいる。そのインパクトを端的にお伝えする。

 今回発表されたIoT関連の新しいサービス/ソリューションのうち、デバイス側で注目すべき動きは大きく三つある。「AWS IoT Button」「スターターキットとSDK」「AWS Greengrass」である。他にもIoT関連の技術としては、Amazon AIとそれを構成する技術要素として発表された「Alexa」を駆動する「Amazon Lex」「Polly」「Rekognition」などがある。これらはいずれもクラウド側のインサイト機能として整理されており、本稿では割愛する。

写真●スターターキットとSDKは、実際にデバイスを接続する初心者に向けたパッケージ
写真●スターターキットとSDKは、実際にデバイスを接続する初心者に向けたパッケージ
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 デバイス側の三つの発表のうち、スターターキットとSDKは、実際にデバイスを接続する初心者に向けたパッケージだ。スターターキットはAWS IoTへの接続レディの状態で提供されるモジュールで、多様なデバイスプラットフォームから選択できる。一方のIoT SDKは日本語を含む7カ国語でのクラウド接続を容易にするソフトウエア開発キットとなる(外部リンク)。

写真●IoT観点で今回の目玉となる「AWS Greengrass」
写真●IoT観点で今回の目玉となる「AWS Greengrass」
組み込み機器へのAWS Lambda機能を提供し、クラウドとの連携して機能できるようにする
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 AWS Greengrassは、AWSならではのエッジコンピューティング環境を実現するサービスである。イベント駆動型のコード実行サービス「AWS Lambda(ラムダ)」の機能をローカルデバイス上で稼働可能にする。もともとLambdaはIoTと相性がよいと予想されており、今回の発表は当然の流れとも言える。