米ON Semiconductor社は、年末恒例の報道機関向け戦略説明会を東京で2016年11月30日に開いた。ON SemiのDavid Somo氏(Senior VP, Corporate Strategy & Marketing)と川崎郁也氏(Senior Director & General Manager, Intelligent Power Solution BU, Analog Solutions Group)が登壇した。

David Somo氏 日経エレクトロニクスが撮影。
David Somo氏 日経エレクトロニクスが撮影。
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 最初に登壇したSomo氏は、米Fairchild Semiconductor社を2016年9月に買収した後のON Semiの姿を主に紹介した(関連日本語ニュースリリース1)。全世界で従業員数は約3万名、売上高は約50億米ドル。調査会社の半導体売上高ランキングは、Fairchild買収前の20~21位が買収後は16~17位に上昇したという。また、パワー半導体の売上高では、業界2位(1位はドイツInfineon Technologies社)になったとした。「元々ON Semiが強かった低~中電圧帯のパワー半導体に、Fairchildの中~高電圧帯のパワー半導体が加わったことで、全電圧範囲の製品がそろった」(同氏)。

 同氏によれば、ON Semiの売上高の応用市場別内訳にも変化があった。最も大きい比率を占めるのが「車載」な点は同じだが、Fairchild買収前は33~34%だった比率が買収後は28~30%に下がった。一方、「産業機器」は22%から26%へ上昇した。「通信」は20%で変化なしとのことだった。また、今後のON Semiの成長をけん引する分野として、車載、IoT、パワーコンバージョン/モーター制御の3つを挙げた。それぞれの市場の今後5年間の年間成長率は4~6%、10%以上、4~6%だとした。

 なお、Fairchildの買収に伴い、Fairchildの工場をON Semiが取得した。「ON Semi全体として工場需要が増えており、工場を入手できたことの意味は大きい」(Somo氏)という。

 最後に同氏は、11月29日に発表したウエアラブル機器開発キット「Wearable Development Kit(WDK1.0)」を紹介した(日本語ニュースリリース2)。同社の複数のICなどが載った評価ボード(ハードウエア)やソフトウエア開発向けのIDEだけでなく、リファレンス設計(回路図やサンプルコード、スマートフォン向けアプリケーション)も提供する。